2022年からLinkedInは再加熱を見せており、2022年8月に利用者数も300万人突破しました。国内のビジネス特化SNSとしても最大級の利用者数です。
今回は、そのLinkedInを使った広告配信サービス(以降、LinkedIn広告)についてご検討している方向けに、LinkedIn広告の特徴と配信前の準備事項について解説します。
「LinkedInとはそもそも何か?」ということを知りたい場合は、以下のコラムをまずご覧ください。
ビジネス特化SNS「LinkedIn(リンクトイン)広告」とは?
LinkedIn広告は、日本国内で300万人以上(2022/8時点)が利用するビジネス特化SNSであるLinkedInを活用し、業種・会社名・職務経歴などビジネスに関わる情報をもとにセグメント配信ができる広告サービスです。
LinkedInを聞いたことが無い方は、Facebookのビジネス特化版をイメージしていただくとわかりやすいと思います。
LinkedInに登録されたビジネス情報項目をもとにした細かいターゲティングが可能です。登録者数300万人以上の中から、希望の条件でしぼりこみを行い、抽出したターゲットのみに広告を表示させることができます。
LinkedIn広告を利用するメリット
LinkedIn広告を活用するメリットは以下があります。
ビジネスに関心が高い利用者、プロフェッショナルをターゲットにした広告を配信できる
他のSNSと比較しても、LinkedInはビジネス特化SNSということもあり、ビジネスに関心が高いユーザーが非常に多いです。主に以下の目的で利用している利用者が多いです。
- あらゆる業界のプロフェッショナルとの交流に活用
- 自身の経歴やスキルをアピールし、転職活動に活用
これらの特性を活用して、
- BtoB(法人向け)サービス、製品
- 求人、人材育成、キャリアアップ支援サービス
を取り扱う企業にとっては特におすすめです。
他のSNSではできない業種、従業員規模、職種など高精度なターゲティングが可能
LinkedInの利用者は利用登録時に、名刺や履歴書に掲載するような情報を登録する必要があります。それらの登録情報を使って、LinkedInは例えば以下のような属性で絞り込みが可能です。また、絞り込みだけではなく、特定の属性を除外設定することも可能です。
属性 | 分類 |
---|---|
会社 | 会社名 業種 従業員規模 会社成長率 |
職務経歴 | ポジション 職務タイプ 職務レベル 社会人経験年数 スキル |
学歴 | 出身校 学位 専攻 |
統計データ | 年齢 性別 |
特にBtoBサービスの場合、よく利用するだろう「業種」「従業員規模」「職務タイプ」は以下のような項目になっています。
分類 | 項目 |
---|---|
業種 | 大分類・・・24種類 小分類・・・148種類 |
従業員規模(会社の規模) | ・本人のみ ・2-10人 ・11-50人 ・51-200人 ・201-500人 ・501-1,000人 ・1,001-5,000人 ・5,001-10,000人 ・10,000人以上 |
職務タイプ | IT・コンピューター アート/デザイン エンジニアリング オペレーション コミュニティ/社会福祉 コンサルティング サポート プログラム/プロジェクトマネジメント プロダクト管理 ヘルスケアサービス マーケティング 不動産 事業開発 人事・採用 会計 品質管理 営業 媒体・通信 教育 法律・法務 研究開発 行政 財務 購買 起業/スタートアップ 軍事防衛 |
これらの項目を使って”絞り込む”、または”除外をする”ことができるため、ターゲットが限定的な商材の場合でも、とても高精度に狙いを定めリーチすることが可能なのです。
ここで紹介している「会社の規模」「年齢」「業種」「職種タイプ」に関して、もう少し詳しく以下のコラムで紹介しています。ぜひ、ご興味ある方はご覧ください。
初期費用はかからず、少額の広告予算でも出稿できる
LinkedIn広告は他のSNS広告同様に広告配信時に特に初期費用はかかりません。広告費も200円程度(円ドル相場により変動)から出稿が可能になっているため、広告費数万円でテストしてみたいということも可能になっています。
特定業界に特化した情報メディアや資料ダウンロードサイトを活用して、自社のターゲット属性に合った見込み客だけでを獲得する場合、初期費用がかかったり、最低出稿金額が100万円近くかかるものもあるため、まずはLinkedIn広告を使ってテストをしてみるという使い方も有効です。
LinkedIn広告の特徴
向く商材と向かない商材の傾向
LinkedIn広告には費用対効果の面で向く商材と向かない商材が存在します。Linkedin広告は1クリック200円〜と言われており、クリック単価100円程度と言われているFacebook広告と比較すると2倍の差があります。
このことから、向く商材は、ターゲットが狭く限定的な商材です。クリック単価は高くなる傾向がありますが、ビジネス属性によるセグメントをしたユーザーへ広告を配信できることから無駄撃ちが大きく減少します。一方、ターゲットが広い場合でも向かないわけではありませんが、Facebook広告やTwitter広告など他のSNSプラットフォームの方がクリック単価自体が安く抑えられるため、安いクリック単価で広くリーチする広告配信の方が費用対効果が高くなる可能性があります。
ただし、これらは一概に言えないケースもあるので、仮説として持っておきながら小さく始めてみるのが良いでしょう。もし効果が出ないようであればやめればよいのです。
LinkedInとFacebookとの違い
インターフェースもFacebookに似ていることから、よく”Facebookとの違いがわからない”と聞かれることがあります。
簡単にFacebookとLinkedinにおけるSNSプラットフォーム自体の特性の違いはこちらです。
登録者数(日本)の違い
Facebookは少し前から登録者数の公開をやめていますが、最後に公開された2021年5月時点の情報によると、2,600万人というデータがあります。一方、LinkedInの登録者数は、2022年8月時点で300万人です。実に約9倍の差があります。
ただし、広告を配信する上では、登録者数だけで判断するのは危険です。SNSの場合は特定属性で絞込みをかけて広告を配信できることが強みでもあるため、全く絞り込みをかけないケースはほぼないと思います。必ず、広告配信先として絞り込んだリーチできる母数がどれだけあるか確認しましょう。絞り込み条件次第では、登録者数が少ないLinkedInとFacebookのリーチできる母数が変わらなかった、という事もよくある話です。
どれだけリーチできる母数があるかを確認するには、FacebookもLinkedInも広告の管理画面から確認することができます。
主な利用者層
Facebookは30-50代の利用者が多く、LinkedInは10歳ほど下の20-40台が多いです。ターゲットとするペルソナが40代に多い場合は、Facebookが良いでしょう。それ以外の40代未満をターゲットするペルソナの場合はFacebook、LinkedInどちらも概要するプラットフォームです。
コンセプトとフィードに流れる情報
サービスのコンセプト自体も異なります。Facebookは”面識のある人との交流”としたコンセプトをイメージするとわかりやすいと思います。他方、LinkedInは”ビジネスにおけるプロ同士の交流”としたコンセプトをイメージするとわかりやすいでしょう。これらの違いはコンセプトの違いから基本的にフィードと呼ばれるタイムラインに流れる情報もLinkedInとFacebookで違いが出てきます。ビジネスに限定した交流なのかプライベートまで含んだ交流なのかの使われ方の違いがあります。
登録情報
それぞれのSNSを利用登録する際に入力した情報の一部を広告配信時に絞り込み条件として活用することが可能です。
Facebookは主に「個人の情報+興味関心分野」を登録情報として保有しています。LinkedInは主に「ビジネスにおける個人の情報+ビジネスバックグラウンド」と履歴書の情報に近い内容を登録情報として保有しています。それぞれ広告を配信する際にこれらの登録情報の一部を絞り込み条件として設定することが可能です。
LinkedIn広告を使ってリード(見込み顧客の個人情報収集)を獲得する方法
LinkedIn広告を使って実際にリードを獲得する方法は大きく2つのパターンがあります。
1つ目は、LinkedInから自社サイトへ誘導しフォーム入力をしてもらうことでコンバージョンを獲得する方法です。
2つ目は、LinkedInでフォームを作成し、広告表示からコンバージョンまでをLnkedIn内で完結する方法です。
それぞれの獲得フローのイメージとメリット・デメリットを紹介します。
LinkedInから自社サイトへ誘導しコンバージョンを獲得する方法
この方法は、LinkedIn上で広告を表示し、その広告をクリックしてもらうことで自社サイトへ誘導し、自社サイト内でフォーム入力を促してコンバージョンを獲得する方法です。
メリット | 自社サイトへ誘導することで、 別サイトで情報を入力したことを認識してもらえる |
デメリット | 自社サイトへ誘導することで離脱し、 コンバージョン率が低下する可能性がある |
LinkedIn内で広告表示からフォーム入力まで完結する方法
この方法は、LinkedIn上で広告表示からフォーム入力まで完結させる方法です。
メリット | ・LInkedInの登録情報をもとにフォーム入力を簡素化できるため、 離脱を防ぎコンバージョン率を高めることができる (当社が運用しているお客様の成果では、 自社サイトに誘導した場合と比較し、CVRが3倍〜5倍向上した) |
デメリット | ・LInkedInの登録情報をもとにフォーム入力を簡素化できる反面、 フリーアドレスによるリード情報が増える可能性がある ・自社のWEBサイトに遷移させるわけではないので、 サイト自体の認知がされない |
LinkedIn広告の表示場所やイメージ
LInkedIn広告の表示場所と表示イメージについて説明します。
広告の場合、「プロモーション」、「AD」、「Promoted」など広告であることを示す表示が記載されています。
PC(パソコン)の広告表示位置
PC(パソコン)からLinkedInにアクセスしている人には、以下のように表示されます。
メインは、①のタイムラインに表示されるフィード型の広告です。
2つ目は②の右領域に小さく表示される広告枠です。こちらは一定時間経過するごとに表示される広告が変わる仕組みになっています。
SP(スマートフォン・モバイル)の広告表示位置
次にSP(スマートフォン・モバイル)の広告表示位置について紹介します。こちらはシンプルでタイムラインのフィードに表示されます。
LinkedIn広告で利用できる広告フォーマット
LinkedIn広告で利用できる広告形式はキャンペーンの目的によって異なります。
キャンペーンの目的と利用できる広告フォーマットは以下の表をご覧ください。
シングル画像広告 | カルーセル画像広告 | 動画広告 | テキスト広告 | スポットライト広告 | メッセージ広告 | フォロワー広告 | 求人広告 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ブランド認知 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
ウェブサイト訪問 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
エンゲージメント | ● | ● | ● | ● | ||||
動画視聴 | ● | |||||||
リード獲得 | ● | ● | ● | ● | ||||
ウェブサイトコンバージョン | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
求人応募者 | ● | ● | ● |
LinkedIn広告の始め方ーLinkedInの登録から広告の配信設定までー
LinkedIn広告を試してみたいという場合、以下の手順で広告の設定まで行う必要があります。
- LinkedIn広告配信LinkedInに登録する
- LinkedIn内に企業ページ(またはプロモーションページ)を作成する
- キャンペーンマネージャーという広告管理画面を発行する
- 広告アカウントを作成する
- お支払い設定をする
- 広告の設定をする
①LinkedIn広告配信LinkedInに登録する
LinkedIn広告を始めるためには、LinkedInの個人アカウントを保有している必要があります。LinkedInの個人アカウントは以下から作成することができます。
②LinkedIn内に企業ページ(またはプロモーションページ)を作成する
LinkedInの個人アカウントを作成したら、次は企業ページ(またはプロモーションページ)を作成します。
③キャンペーンマネージャーという広告管理画面を発行する
企業ページを作成したら、次は「キャンペーンマネージャー」という広告用の管理画面を用意します。
④広告アカウントを作成する
キャンペーンマネージャー内で広告アカウントを作成します。
⑤お支払い設定をする
キャンペーンマネージャー内で広告アカウントを作成したら、広告アカウントごとに、決済するためのクレジットカードなどの情報を設定する必要があります。
※お支払い設定を完了しないと広告の設定ができませんのでご注意ください。
⑥広告の設定をする
お支払い設定が完了したら、各種広告を設定していきます。
ここまで完了すれば、広告配信のための準備が全て完了となります。
LinkedIn広告はとりあえず広告を出してみようでは成果をしっかり得ることができません。
成果をしっかり出すためには運用設計をしっかり行う必要があります。以下コラムでポイントをまとめておりますのでぜひご覧ください。
LinkedIn広告の運用サポートならFLAGOUTへ
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