BtoBサービスを提供する事業者(以下、BtoB企業)の中には、企業・組織として「LinkedIn」をマーケティング活動に活用できないかと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本コラムでは、LinkedInをBtoBマーケティングに活用する方法を、企業ページ運用・広告配信・営業活用の3つの軸で徹底解説します。国内500万人を超えるビジネスSNSをどう活用すれば成果につながるのか、当社の運用実績データも交えて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
LinkedInとは?BtoB企業が注目する理由
そもそもLinkedInをよくご存知ない方向けに「LinkedIn」について解説します。
LinkedInの概要と国内ユーザー数の推移(500万人突破)

LinkedInは、世界200以上の国と地域で10億人超のメンバーが登録している世界最大のビジネス特化型SNSです。
実はLinkedInは2003年5月にアメリカでサービスを開始しました。サービス開始直後からユーザーは順調に増加し、現時点では世界最大のビジネス特化SNSと言えるでしょう。
実際の用途としては、営業や人脈形成などのビジネス上のネットワーク構築、広報・マーケティング活動としてのビジネスに関連した情報発信、リクルーティングや広告の運用など多岐にわたります。
日本においては、2011年に日本語版がリリースされましたが、普及が比較的遅く、外資系企業への転職活動のためのツールと認知されることがほとんどでした。
この背景には、ユーザーインターフェースがまだ適切な日本語対応ができていなかったり、日本国内のビジネスパーソンに役立つ情報コンテンツが少なかったことが考えられています。しかし、近年ではユーザーインターフェースも改善され、日本国内のビジネスパーソンが好むようなコンテンツも増えてきており、2025年12月時点で日本国内のLinkedIn登録者数が500万人を突破しました。国内のビジネス特化SNSとしても最大級の利用者数です。
当社でGoogleトレンドを使って、日本国内のBtoBで使われている主要なSNSプラットフォームの検索量を2026年3月時点で過去5年間を対象に調査しました。

BtoCビジネスでの利用者も含まれるため一概には言えませんが、Facebookは長期的な下降トレンドが続いており、Instagramは横ばいで推移しています。X(旧Twitter)は2022年以降右肩上がりの上昇トレンドを維持しており、2026年にかけて検索需要が大きく伸びています。一方、LinkedInも同様に2022年以降一貫して上昇トレンドを維持しており、BtoB分野で最も勢いのあるSNSプラットフォームと言えます。
検索トレンドの上昇と登録者数500万人突破という数字が示す通り、LinkedInは日本国内においてBtoBマーケティングの有力チャネルとして定着しつつあります。
なぜ今BtoB企業がLinkedInに注目しているのか
BtoB企業がLinkedInに注目する理由は、主に以下の3つです。
1つ目は、意思決定者への直接リーチが可能なことです。LinkedInの利用者には経営者、役員、部長職以上のビジネスリーダーが多く、BtoB商材の購買に関わるキーパーソンに直接アプローチできます。
2つ目は、ビジネス属性に基づく高精度なターゲティングです。業種、企業規模、役職、職務経歴、スキルなど、他のSNSでは取得が難しいビジネス情報をもとにした絞り込みが可能です。
3つ目は、ユーザーがビジネスモードで利用していることです。LinkedInを開くユーザーはキャリアアップや業界情報の収集など、ビジネス目的で利用しているため、BtoB向けのコンテンツや広告への反応率が他のSNSと比べて高い傾向があります。
Facebook・X(旧Twitter)との違い【比較表】
LinkedInとFacebookは見た目が似ていますが、SNSとしてのコンセプトと利用目的が根本的に異なります。さらにX(旧Twitter)とも比較することで、BtoB企業にとってのLinkedInの位置づけがより明確になります。
| X(旧Twitter) | |||
| 国内ユーザー数 | 約500万人(2025年12月) | 約2,600万人(2021年5月) | 約6,700万人(2024年時点) |
| 主な利用目的 | ビジネス・キャリア | プライベート交流 | 情報収集・発信 |
| ターゲティングの強み | 業種・役職・企業規模 | 興味関心・行動履歴 | キーワード・興味関心 |
| BtoB適性 | ◎ 非常に高い | ○ やや高い | △ 業界による |
| フィードの情報性質 | 業界ニュース・キャリア | プライベート・趣味 | ニュース・トレンド |
| 登録情報の特徴 | 職歴・スキル・企業情報 | 個人情報・興味関心 | 匿名利用も多い |
上記の通り、LinkedInは「ビジネス目的で利用するユーザーが集まるSNS」という点で、BtoB企業にとって最も親和性の高いプラットフォームです。Facebookはプライベート利用が中心、Xはニュース・情報収集が中心であるのに対し、LinkedInのユーザーはキャリアアップやビジネス情報の収集を目的としているため、BtoB商材への関心が高い状態でコンテンツに接触します。
BtoB企業がLinkedInを活用する5つのメリット
1. 意思決定者・経営層にダイレクトにリーチできる
LinkedInでは「役職」を指定してコンテンツを届けたり広告を配信できます。「部長以上」「経営幹部」「CEO・CTO」など、購買の意思決定権を持つ層に直接アプローチできるのは、BtoBマーケティングにおいて大きなアドバンテージです。
2. ビジネス属性での高精度ターゲティングが可能
業種、企業規模、職務経歴、スキルなど、LinkedIn独自のターゲティング軸が豊富です。FacebookやGoogleでは推定に頼らざるを得ない情報で、正確に配信先を絞り込めます。たとえば「従業員500名以上の製造業の部長以上」といったピンポイントなターゲティングが可能です。
3. ユーザーがビジネスモードで利用している
他のSNSと異なり、LinkedInのユーザーはキャリアアップ、業界情報の収集、ネットワーキングといったビジネス目的で利用しています。そのため、BtoB向けのコンテンツや広告に対する受容性が高く、クリック率やコンバージョン率も他のSNSと比べて高い傾向があります。
4. 国内の競合がまだ少なく先行者優位がある
FacebookやGoogleに比べると、日本国内でLinkedInを積極的にマーケティング活用している企業はまだ限られています。今のうちに企業ページの運用体制を構築し、フォロワーやコンテンツ資産を蓄積しておくことで、競合に対する先行者優位を確保できます。
5. 広告・オーガニック投稿・営業の3軸で活用できる
LinkedInは広告配信だけでなく、企業ページでのオーガニック投稿によるブランディング、Sales Navigatorを使った営業活動など、マーケティングファネルの複数段階で活用できます。これらを組み合わせることで、認知獲得からリード創出、商談化まで一気通貫のアプローチが可能です。
LinkedInのBtoBマーケティング活用方法【3つの軸】
BtoB企業がマーケティング施策の1つとしてLinkedInを活用する方法として、大きく3つの軸があります。1つ目はLinkedIn企業ページを活用したオーガニック運用、2つ目はLinkedIn広告を使ったターゲティング配信、3つ目はSales Navigatorなどを活用した営業・ABMアプローチです。
活用①:LinkedIn企業ページの運用
LinkedIn企業ページは、BtoB企業にとってLinkedIn上の「名刺」であり「メディア」です。定期的な情報発信を通じて、ターゲット企業の意思決定者との接点を構築できます。
LinkedInは親となる企業ページを1アカウント、製品やサービス・関連会社ごとに最大20アカウント作成することが可能です。
■ 企業ページで投稿すべきコンテンツの種類
BtoB企業がLinkedIn企業ページで発信すべきコンテンツには、以下のような種類があります。
| コンテンツの種類 | 内容・ポイント |
| 業界ニュース・見解 | 業界トレンドに対する自社の見解を発信。専門性のアピールに効果的 |
| サービス・製品情報 | 新サービスのリリース、機能アップデート、活用事例の紹介 |
| セミナー・イベント告知 | ウェビナーやカンファレンスの告知・開催レポート。集客にも直結 |
| コラム・ホワイトペーパー | 自社サイトのコンテンツをシェアし、サイトへの流入を促進 |
| 社内の取り組み・文化 | 社員紹介、社内イベント、働き方の紹介。採用ブランディングにも有効 |
| お客様事例 | 導入事例や成功事例を紹介。検討段階のターゲットへの後押しになる |
■ 投稿頻度とエンゲージメント向上のポイント
投稿頻度は週1〜3回が目安です。LinkedInのアルゴリズムは一定の投稿頻度を維持しているアカウントを優遇する傾向があるため、無理のない範囲で継続的に投稿することが重要です。
エンゲージメントを高めるためには、投稿の最初の3行(フック)で読者の関心を引くこと、業界に関連するハッシュタグを2〜5個程度つけること、投稿後のコメントに積極的に返信することがポイントです。また、画像付き投稿やカルーセル(PDF形式)はテキストのみの投稿より高いエンゲージメントを得やすい傾向があります。
活用②:LinkedIn広告の活用
LinkedIn広告は、登録者500万人以上の中から希望の条件で絞り込みを行い、ターゲットにのみ広告を表示できるサービスです。業種、役職、企業規模、職務経歴など、BtoBマーケティングに最適なターゲティングが可能です。
LinkedInの利用者は利用登録時に、名刺や履歴書に掲載するような情報を登録する必要があります。それらの登録情報を使って、例えば以下のような属性で絞り込みが可能です。

LinkedIn広告の詳細な特徴、費用相場、始め方、成功事例については、以下の完全ガイドで詳しく解説しています。
活用③:営業・ABM活用(Sales Navigator)
LinkedIn Sales Navigatorは、LinkedInが提供する営業支援ツールです。通常のLinkedIn検索よりも詳細なフィルター機能を使って、ターゲット企業のキーパーソンを検索・リストアップし、直接メッセージ(InMail)を送ることができます。
特にABM(アカウントベースドマーケティング)戦略との相性が抜群です。ターゲット企業リストを作成し、その企業の意思決定者に対してLinkedIn広告で認知を取りつつ、Sales Navigatorで直接アプローチするという3段構えのアプローチが実現できます。
具体的な活用シーンとしては、新規開拓先の意思決定者の特定とアプローチ、既存顧客企業内の別部門キーパーソンへの横展開、競合企業の顧客に対する切り替え提案などが挙げられます。
LinkedInの企業アカウントと個人アカウントとの違い
個人アカウントと企業アカウントは、利用目的によってその性質が大きく異なります。
以前当社のLinkedIn企業アカウントでも投稿した内容がこちらです。ビジネス特化のSNSであるという点に違いがありませんが大きく分けると以下の通りです。

<個人アカウントの場合>
転職活動
自分で求職意向を掲載することによって、リクルーターの目にとまる、他の転職活動者との比較など
人脈形成
仕事上の人脈や知識を構築、新しいスキルを学ぶ場など
営業機会の獲得
営業先の候補探しや、企業の近況の把握、知り合い同士の紹介で信頼度を上げるなど
他の企業の実態調査、求人分析、広告配信など
<企業アカウントの場合>
採用活動
人材発掘、求める人材に直接アプローチを行う、採用候補者との関係強化など
企業の認知度向上
仕事上の実務紹介、企業活動の近況報告、企業としての親しみやすさの向上など
マーケティング活動全般
他の企業の実態調査、求人分析、広告配信など
上記のように個人のアカウントは、つながりを通して転職活動や新たなビジネス機会を創出の場としての性質があります。
企業アカウントは、求人募集や企業やサービスのPR、広告配信を行うのに特化した機能が充実しています。分析できる内容も個人アカウントより多いです。
■ 両方を組み合わせた効果的な運用方法
BtoB企業がLinkedInを最大限に活用するには、企業アカウントと個人アカウント(特に経営者や営業担当者)の両方を運用することが効果的です。企業アカウントで公式情報やブランドメッセージを発信しつつ、個人アカウントでは社員一人ひとりが専門知識や業界への見解を発信することで、企業の信頼性と専門性をより強くアピールできます。
LinkedInをBtoBマーケティングに導入する際の注意点
■ ターゲット層がLinkedInにいるかの事前確認
LinkedInの国内利用者は500万人を超えましたが、業界や職種によっては利用率が低い場合もあります。広告配信を検討する場合は、キャンペーンマネージャーでターゲットのオーディエンスサイズを事前に確認することをおすすめします。
■ BtoC商材には基本的に不向き
LinkedInはビジネス特化SNSのため、一般消費者向け(BtoC)の商材・サービスのマーケティングには適していません。BtoC商材の場合は、InstagramやX(旧Twitter)など他のSNSの活用を検討しましょう。
■ 継続的な運用体制の構築が必要
LinkedInに限った話ではありませんが、SNSマーケティングは一度始めたら継続的に運用することが重要です。投稿頻度が落ちるとフォロワーのエンゲージメントも下がるため、社内での運用体制を事前に整えておくことが成功の鍵です。
LinkedIn活用で成果を出すならフラグアウトへ
当社フラグアウトでは、BtoB企業に特化したSNSマーケティング支援を行っています。LinkedIn企業ページの運用支援からLinkedIn広告の運用代行まで、一気通貫でサポートしています。
もし、LinkedInを自社のマーケティング活動に活用できないかお悩みの企業様はいらっしゃいましたら、ぜひ、一度ご相談のお問合せをいただければ幸いです。

LinkedIn活用におけるよくある質問(FAQ)
- QLinkedInは無料で使えますか?
- A
LinkedInの個人アカウント作成・企業ページ作成はいずれも無料です。広告配信やSales Navigatorなどの有料機能を利用する場合は別途費用がかかります。
- QLinkedIn企業ページの作成に必要なものは?
- A
企業ページを作成するには、まずLinkedInの個人アカウントが必要です。個人アカウントを作成した上で、企業ページを新規作成します。企業名、ロゴ、概要文、WebサイトURLなどの基本情報を用意しておくとスムーズです。
- QLinkedInの投稿頻度はどのくらいが理想ですか?
- A
週1〜3回が目安です。投稿頻度よりも継続性が重要で、無理のない範囲で定期的に投稿し続けることがフォロワー獲得とエンゲージメント向上につながります。
- QLinkedIn広告の費用はいくらからですか?
- A
LinkedIn広告は最低1日800円から出稿可能です。初期費用はかかりません。詳しくは「BtoB企業向けLinkedIn広告完全ガイド」をご覧ください。
- QBtoC企業でもLinkedInは使えますか?
- A
ビジネスユーザー中心のプラットフォームのため、BtoC商材のマーケティングには基本的に不向きです。ただし、採用活動や企業ブランディングの目的であればBtoC企業でも活用できます。
- QLinkedInとFacebook、BtoBにはどちらが向いていますか?
- A
ターゲットの業種・役職が明確ならLinkedIn、幅広いリーチが必要ならFacebookが有利です。近年はLinkedInの国内利用者数が増加しており、BtoB企業では両者を併用するケースが増えています。


