「SNSマーケティング」は、BtoCビジネスでは当たり前、むしろ無くてはならない施策として位置付けている企業も多いです。近年は、BtoBビジネスを展開する企業も、SNSマーケティングに取り組む企業が増加していると言われています。
本記事では、BtoBビジネスを展開する企業向けに、BtoBビジネスにとってSNSマーケティングの位置付け、SNSマーケティングの代表的な手法、BtoBで使われる代表的なSNSのそれぞれの特徴などを交えて基礎から解説します。
BtoC向けの記事は多いですが、BtoBに特化した記事がないという方もぜひ、ご覧ください。
SNSマーケティングとは?BtoBビジネスの観点から解説
「SNSマーケティング」とは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用したマーケティングの方法です。
デジタルマーケティングにおけるSNSの位置付け
デジタルマーケティングにおけるSNSは、オウンドメディアであれば自社SNSアカウントでの投稿、アーンドメディアであればSNS上での見込み顧客やユーザーが自社サービスに関わる投稿やコミュニケーション、ペイドメディアであればSNS広告出稿などのように3つのメディアの役割を内包していると言われます。
BtoBでSNSマーケティングの重要性が高まってきている背景
BtoBでSNSマーケティングの重要性が高まってきている背景には、以下のようなことが挙げられます。
【利用者側】SNS自体の利用者の増加
BtoBといえども、自社及び自社サービスや製品をまずは企業に属する”個人”に認識してもらう必要があります。日本国内でSNS自体の利用者が増加しています。利用者自体が増加することにより、SNS本来の特徴である高い拡散性による得られる効果は日に日に大きくなっているでしょう。BtoBビジネスでもリクルーディングやプロモーションを目的とした施策としてSNSは無視ができず、自社や自社サービスや製品を知ってもらうきっかけとしてSNSの活用により組む企業が増えています。
【企業側】オウンドメディア所有、デジタルマーケティングに取り組むBtoB企業自体の増加
コロナ禍を経て従来型の営業手法が通用しなくなった昨今、Webやデジタルを活用した営業活動へシフトしています。これにより、自社でオウンドメディアを所有し、ブログで自社の知見やノウハウを情報発信する企業が増えたり、有料広告を活用して自社のオウンドメディアへ集客をする企業が増えています。
SNSマーケティグの5つの手法
SNSマーケティングには、一般的に「SNS広告」、「SNSアカウント運用」、「SNSキャンペーン」、「ソーシャルリスニング」、「インフルエンサー」と呼ばれる5つの手法があります。
この手法についてBtoBビジネスを例に解説します。
SNS広告
SNS広告は、各SNSに登録している利用者に対して、SNS上で広告を配信する方法です。広告表示の形式や場所はSNSのプラットフォームごとに異なります。また、SNSプラットフォームごとに利用者の利用目的や年齢などの特徴も異なります。SNS広告は登録情報を元に詳細なターゲティングができることが大きなメリットの一つと言えるため、自社のターゲットにあったSNSプラットフォームを選ぶことが大切です。
SNSアカウント運用
SNSアカウント運用は、Twitter、Facebook、LinkedIn、InstagramなどのSNSプラットフォーム上に自社のアカウントを開設し、ユーザーや見込み顧客向けに情報を発信したり、交流を行うための手法です。企業としてオフィシャルな”公式アカウント”を保有して運用されています。企業によっては、企業名やサービス名を含んだ個人アカウントを開設し、情報発信や交流を図っている企業も存在ます。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、SNSを通じてユーザーや見込み顧客も参加型で行う施策です。SNS上で無料体験・無料セミナーへの申込みや資料プレゼントなどのキャンペーンを展開し、サービスや製品の認知拡大やオウンドメディア誘導、フォロワー数の増加などを目指します。具体例としてTwitter上で自社制作の調査レポートをフォロー及びリツイートしてくれたアカウントの方へプレゼントするような手法もこのSNSキャンペーンに該当します。
ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングは、SNSやレビューサイトなどに投稿された情報を収集し分析する手法です。自社サービスや製品を利用している、利用した経験がある方がSNSやレビューサイト上にある”評価”を収集分析することで、自社サービスや製品の改善に活かすことができます。具体的にはSNSに投稿されている情報を収集したり、またはSNSのアンケート機能を使って質問を投げかけ回答してもらうような手法もソーシャルリスニングに該当します。
インフルエンサー活用
インフルエンサー活用とは、SNS上で影響力がある、または活躍する方を起用することで、インフルエンサーのファンである自社の見込み客にアピールする手法です。最近では、ビジネスインフルエンサーと呼ばれるような各ビジネス分野で影響力のある方々が登場しています。具合的な活用例として、YouTubeで製造業に特化した情報発信をされているインフルエンサーの方とコラボレーションした企画を実施したり、自社の大型イベントにゲストとして招いたりなど起用するシーンを目にする機会が増えています。
BtoBで活用される主なSNS
BtoBで主に利用されているSNSとしてTwitter、Facebook、Instagram、LinkedInが挙げられます。この各SNSの特徴について解説します。
Twitterの特徴
■利用者数 | 4,500万人(2017年10月時点) |
■主な利用者年齢層 | 10-30代 |
■コンセプト | テキストメインによる即時性のある趣味嗜好/興味関心軸での交流 |
■フィードに流れる情報 | ビジネスとプライベートの両方 (よく交流する趣味嗜好に近いカテゴリの投稿中心に最適化) |
■登録情報 | アカウントは匿名で作成可能 |
■企業専用ページ | 作成機能なし (個人アカウントと同じ仕組みで運用) |
Twitterは匿名で複数のアカウントを開設することができます。現在、利用者数は4,500万人と非常に多いSNSとなっています。個人アカウントのビジネス利用においては実名でアカウント開設をしている方もいます。また、企業専用ページがあるわけではないので、個人アカウントと同じ機能を使っって企業公式アカウントを作成している企業も存在します。
特にTwitterは拡散性に優れており、Twitterを使ったキャンペーンに関しては特典の提供と引き換えにフォローやリツイートを条件にすることが規約に反する形ではないため、うまく活用する企業や企業に所属する個人が多いです。
また、業種業態問わず広く利用されているイメージがあるSNSです。
Facebookの特徴
■利用者数 | 2,600万人(2019年7月時点) |
■主な利用者年齢層 | 30-50代 |
■コンセプト | 面識のある人との交流 |
■フィードに流れる情報 | ビジネスとプライベートの両方 |
■登録情報 | 実名登録制 個人の情報+興味関心分野の情報を登録 |
■企業専用ページ | 作成機能あり(企業専用ページせ作成可能) |
Facebookは、世界で最も利用されているSNSであり、最大の特徴は実名登録制であることです。加えて、年齢、仕事、趣味嗜好などの利用者が登録した情報に基づいた精度の高いターゲティングに優れた広告配信ができます。また、利用している年齢層はSNSの中でも比較的高いです。企業に務める社会人経験豊富な管理職や決裁者が多く利用している可能性もあるため、BtoBでは無視できなSNSです。
但し、企業ページに関しては2018年のアルゴリズムアップデートにより、企業よりも個人のページを優先する変更が加わり、投稿だけで拡散させることが難しくなりました。企業ページのアカウント運用をこれから始める場合には、メルマガなど自社で保有する集客チャネルを使ってフォローを集めてメルマガ以外の情報受信手段として活用、または投稿→投稿を広告で拡散させ認知促進という広告を活用した方法の検討が必要になります。
Instagramの特徴
■利用者数 | 3,300万人(2019年6月時点) |
■主な利用者年齢層 | 10-30代 |
■コンセプト | 写真・画像メインによる趣味嗜好/興味関心軸での交流 |
■フィードに流れる情報 | プライベートが中心 |
■登録情報 | アカウントは匿名で作成可能 |
■企業専用ページ | 作成機能なし (個人アカウントと同じ仕組みで運用) |
Instagramのは写真・画像メインのSNSです。SNS上で交流できる機能が一般的な投稿だけではなく、ストーリーズ/スタンプ/リールなど非常に多い点も特徴です。
画像や動画で投稿するSNSであるため、BtoB企業の中でも、見てもらう方が伝わりやすい製品を保有している製造業がよく利用しています。
LinkedInの特徴
■利用者数 | 300万人(2022年8月時点) |
■主な利用者年齢層 | 20-40代 |
■コンセプト | ビジネスにおけるプロ同士の交流 |
■フィードに流れる情報 | ビジネスが中心 |
■登録情報 | ビジネスにおける個人の情報+ビジネスバックグラウンド (在職企業・スキル・ポジションetc) |
■企業専用ページ | 作成機能あり(企業専用ページ作成可能) |
LinkedInは、日本国内で300万人以上(2022/8時点)が利用するビジネス特化SNSです。LinkedInを活用し、業種・会社名・職務経歴などビジネスに関わる情報をもとに高精度なターゲティング配信ができる広告サービスや求人募集ページを作成できる点が特徴です。
LinkedInの詳細はこちらの記事でも解説しています。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
BtoB企業向けにSNSマーケティングの始め方/進め方を紹介
BtoB企業がSNSマーケティング施策を進めるに当たり、以下の4つの工程を理解して準備を進めることが大切です。
BtoB企業におけるSNSマーケティングの進め方に関しては以下のコラムで詳しく解説していますので合わせてご覧ください。