BtoB企業の中でも、マーケティング施策のひとつとしてSNSを活用する企業が増えています。LinkedIn(リンクトイン)の国内ユーザー数は500万人を突破し、X(旧Twitter)やInstagramをBtoBの情報発信に活用する企業も増加しています。
一方で、「SNSマーケティングを始めたいが、何から取り組めばよいか分からない」「どのプラットフォームを選べばよいか判断がつかない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、BtoB企業がSNSマーケティングを始める際に必要な目的設定、ターゲット整理、プラットフォーム選定、運用・改善の4ステップを解説します。
BtoBマーケティングにおけるSNS活用の位置づけ
SNSマーケティングに取り組む前に、BtoBマーケティング全体の中でSNSがどのような役割を果たすのかを整理しておきましょう。

デジタルマーケティングは、単体の施策や短期で成果を追うものではなく、複数の施策を組み合わせて中長期で取り組むことで大きな成果を上げることができます。
その手段の一つであるSNSマーケティング施策は成果が上がるまで少し時間がかかり、SEOの成果曲線と類似しています。有料広告で短期結果を追い求めていきながら成功パターンをみつけていき、SNSやコンテンツSEOへの取り組みに展開していくことで、有料広告費を低減していくことがデジタルマーケティングの定石と言えるでしょう。
BtoB企業がSNSを活用する目的は、大きく以下の3つに分類できます。
1つ目は「認知獲得」です。企業ページを開設し、定期的に業界ニュースや自社の知見を発信することで、ターゲット企業の担当者に自社の存在を認知してもらいます。
2つ目は「リード獲得」です。SNS広告を活用して、ホワイトペーパーやウェビナーへの申し込みを促し、見込み客の情報を取得します。
3つ目は「信頼構築・ブランディング」です。専門性の高いコンテンツを継続的に発信することで、業界内での信頼感とブランド想起を高めます。
SNSマーケティングの4ステップ
SNSマーケティング施策を進めるにあたり、おおきく以下4つの工程を理解しておく必要があります。これからSNSマーケティングを始める企業のご担当者様は以下の4つをまずは決めていきましょう。

①SNS活用における目的設定
SNS活用を開始する際は必ず目的を設定しましょう。そして、その目的を目標に落とし込み活動していくことで具体性を持たせましょう。
例えば、目的は下図のように
- 自社や自サービスの認知
- 見込み客の集客
のいずれかをまず目的に設定する企業が多いです。

これらを目標に落とし込むと、以下のような目標に落とし込むことができるでしょう。
- 自社や自サービスの認知→企業アカウント運用による新規フォロワーの獲得数
- 見込み客の集客→広告配信によるターゲットリードの獲得数
KGI・KPI設計方法
前項の目標例をKGIとしてSNS活用を進める場合、KPIは以下のような指標になります。開始後はこれらの指標にそって効果試算を行っておきましょう。プロセスKPIが細かくなりすぎると管理や集計が大変になるので、運用を見据えて細かくしすぎないことがポイントです。
KGI例:フォロワー獲得の指標
当社が紹介する一例ではありますが、「新規フォロワーを増やす」ことを目標とした場合以下のようなKPI指標を用います。

①投稿数
↓リーチ率
②リーチ数(閲覧数)
↓エンゲージメント率
③リアクション数(いいね、コメント、リンククリックなど)
↓企業ページアクセス率
③企業ページアクセス数
↓フォロワー転換率
④新規フォロワー数
この中でも、「投稿数に対してリーチ数が低ければ、コンテンツの内容を変えてみよう」といったように、各指標のどれがボトルネックになっているのか把握できれば、課題の改善もしやすく、目標達成により早く近づけるでしょう。
KGI例:ターゲットリード獲得の指標

①インプレッション(広告が表示された)数
↓クリック率(CTR)
②バナークリック数
↓リード獲得率(CVR)
③リード獲得数
↓ターゲットリード獲得率(TA-CVR)
④ターゲットリード獲得数
こちらも「バナーのクリック率が低ければ、バナークリエイティブの内容を変えてみよう」といったように、各指標のどれがボトルネックになっているのか把握できれば、課題の改善もしやすくなります。
BtoB企業ならではのKPI設定について、より詳しく知りたい方は以下のコラムをご覧ください。
②ターゲットとペルソナの整理
目的と目標が決まったら、SNSのターゲットとペルソナを整理します。ターゲットは配信するプラットフォームの選定に活用し、ペルソナはバナーのクリエイティブに活用するため、先に定義しておくことをおすすめします。

SNSの投稿コンテンツをつくるうえで、ターゲットとペルソナの設定は重要です。ところでターゲットとペルソナの違いは何でしょうか。
一言でいえば、
- ターゲットは訴求する集団の属性
- ペルソナは細かく作りこまれた個人像
を意味しています。
<ターゲット設定の例>
ターゲットは、
- どの分野に興味を持っているか
- どの業界に勤務しているか
- どの職種や立場に属しているか など
を設定して訴求する「集団」の属性を決めることです。
このターゲット内容により、適したSNSプラットフォームがどれなのか変わってきますので、ターゲットを設定することは、そのターゲットが多いユーザーのSNSプラットフォームを選ぶ判断基準となります。
<ペルソナ設定の例>
ペルソナは、
- 年齢は30代。エンジニア職として勤務。
- 出世意欲があり、常に自部門の課題解決策を探している
- 情報系の学部出身者でIT技術分野に関心が高い など
を設定して訴求する「個」のイメージを作り込むことです。
ペルソナを設定することは、そのペルソナに適した投稿コンテンツを作るための指針となります。特にペルソナの設定は、投稿コンテンツの内容にブレが生じることを防ぎ、一貫した内容の投稿を行えるので、明確に定義することをおすすめします。
③SNSプラットフォームの選定
BtoB企業が活用できるSNSプラットフォームは複数あり、それぞれ特徴が異なります。自社のターゲットとの相性を見極めて選定することが重要です。以下に、BtoBマーケティングで利用されることの多い5つのプラットフォームの特徴を比較します。
| X(旧Twitter) | ||||
| 国内ユーザー数 | 約500万人 | 約6,700万人 | 約6,600万人 | 約2,600万人 |
| 利用目的 | ビジネス・キャリア | 情報収集・発信 | ビジュアル訴求 | プライベート交流 |
| BtoB適性 | ◎ 非常に高い | ○ 高い | ○ 高い | △ やや低下傾向 |
| ターゲティング | 業種・役職・企業規模 | キーワード・興味関心 | 興味関心・行動 | 興味関心・行動履歴 |
| 広告の強み | 意思決定者への直接リーチ | 拡散力・リアルタイム性 | ビジュアルによるブランド訴求 | 詳細なオーディエンス設定 |
| 投稿の特徴 | 業界知見・専門性重視 | 速報性・話題性重視 | ビジュアル・世界観重視 | コミュニティ運営向き |
上記4つに加えて、Threads(スレッズ)もBtoB企業の情報発信チャネルとして注目され始めています。ThreadsはMeta社が提供するテキストベースのSNSで、Instagramアカウントと連携して利用します。2024年後半から国内利用者が増加しており、BtoB分野ではまだ活用企業が少ないため、早期に取り組むことで先行者優位を得られる可能性があります。ただし、広告機能は現時点で未提供のため、オーガニック投稿による情報発信が中心になります。
プラットフォームの選定にあたっては、以下のポイントで判断するとよいでしょう。
ターゲットの業種・役職が明確な場合はLinkedInが最も適しています。業種・役職を指定した広告配信が可能で、意思決定者へのダイレクトなリーチが強みです。
業界ニュースやトレンド情報の発信でリーチを広げたい場合は、X(旧Twitter)が有効です。拡散力が高く、短時間で多くのユーザーにリーチできます。
製品のビジュアルや導入事例を視覚的に訴求したい場合はInstagramが適しています。製造業やIT企業の中には、製品写真やオフィス風景、社員紹介を通じてブランドイメージを構築している企業もあります。
複数のプラットフォームを併用する場合は、まず1つのプラットフォームで運用体制を確立し、その後に2つ目・3つ目に展開するのがおすすめです。
ターゲットとする属性の企業がどの程度いるかを調べる方法として、広告管理画面からオーディエンスを絞り込んでみると目安のターゲット数が表示されるので、参考にすると良いでしょう。
各プラットフォームの詳細については、以下の記事でそれぞれ解説しています。
▶ LinkedIn広告の特徴・費用・始め方については:
▶ BtoB企業のInstagram運用については:
④分析・改善
SNSプラットフォームには、広告のパフォーマンスを確認できるダッシュボード、投稿パフォーマンスを確認できるダッシュボードがそれぞれ存在します。
それらを活用し、設定した目標と成果にギャップが生じていないか可視化し、課題があればそれらの要因を1つ1つ解決していきます。これらを始めは最低でも1週間に1回程度改善を繰り返していくことで、少しずつ目標に近づけていきます。
始めてみて「すぐに成果があがらない」からといってすぐに施策をやめてしまうことがないようにしましょう。
分析で特に注目すべき指標は、プラットフォームごとに異なります。
LinkedInではインプレッション数とエンゲージメント率(いいね・コメント・シェアの合計÷インプレッション数)が重要です。フォロワー数の増減だけでなく、投稿ごとのエンゲージメント率を追うことで、どのようなコンテンツがターゲットに響いているかを把握できます。
X(旧Twitter)ではインプレッション数とリンククリック数が重要です。リーチの広さとサイトへの誘導効果を同時に測定しましょう。
Instagramではリーチ数と保存数が重要です。保存数はフォロワーが「後で見返したい」と感じたコンテンツの指標であり、コンテンツの質を測るうえで参考になります。
BtoB SNSマーケティングの設計・運用はフラグアウトへ
本記事では、BtoB企業がSNSマーケティングを始める際に必要な4ステップを解説しました。
当社フラグアウト(Flagout, Inc.)では、BtoB企業に特化したSNSマーケティング支援を行っています。SNS企業アカウントの運用支援から、LinkedIn広告・Instagram広告などのSNS広告運用支援まで、一気通貫でサポートしています。
「どのSNSから始めればよいか分からない」「運用体制を整えたい」といったご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

BtoB SNSマーケティングに関するよくある質問
- QBtoB企業のSNSマーケティングで最初に取り組むべきプラットフォームはどれですか?
- A
ターゲットの業種・役職が明確であればLinkedInがおすすめです。業種や役職を指定した広告配信が可能で、意思決定者へのリーチに強みがあります。まずは1つのプラットフォームで運用体制を確立し、成功パターンを見つけてから他のプラットフォームに展開するのが効率的です。
- QBtoB企業のSNS運用でどのくらいの頻度で投稿すべきですか?
- A
週1〜3回が目安です。投稿頻度よりも継続性が重要で、無理のない範囲で定期的に投稿し続けることがフォロワー獲得とエンゲージメント向上につながります。
- QSNSマーケティングの成果が出るまでどのくらいかかりますか?
- A
オーガニック投稿(広告を使わない自然な投稿)の場合、効果が見え始めるまでに3〜6か月程度かかるのが一般的です。SNS広告を併用する場合は、配信開始後1〜2か月で集客効果を測定できます。
- QSNSマーケティングを外部に委託することはできますか?
- A
はい、SNSアカウントの運用代行やSNS広告の運用代行を提供する企業に委託できます。自社にノウハウやリソースがない場合は、最初は外部に委託しながら社内にノウハウを蓄積していくアプローチが効率的です。
