ウェビナーの効果を最大限に引き出すためには、適切なKPIの設定が欠かせません。しかし、「そもそもKPIは本当に必要なのか」「どのような指標があるのか」とお困りの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ウェビナーを成功させるためのKPI設定方法について、具体的な例を交えながら解説しています。

ウェビナーを通じてより多くの成果を上げたいと考えている担当者様は、ぜひご参考ください。

ウェビナーの目標やKPI設定がなぜ重要?

KPI(重要業績評価指標 / Key Performance Indicator)とは、業務のパフォーマンスを評価し、管理するための定量的な指標です。

ウェビナーにおいても、具体的な目標やKPIを設定することで、ウェビナーの効果を評価し、どこを改善すべきかが明確になります。

以下に、KPIを設定することの主なメリットをご紹介します。

・目指すべき位置の共有認識ができる

ウェビナーといっても、新規リードを獲得したいのか、既存顧客の満足度を上げたいのかによって、やるべきことは大きく変わります。

目的や目標が曖昧だと何をすべきか迷ってしまい、無駄な作業に時間を使ってしまうこともあるでしょう。特に関わる人が多い場合にはKPIの設定が非常に重要です。

KPIを設定することで最終的なゴールが全員で共有でき、それぞれが「何を」「いつまでに」「どのくらい」やるべきかが明確になります。これによって、必要な作業を効率的に進めることができるでしょう。

・プロセスが見える化できる

ウェビナーを開催するまでには、コンテンツの作成やツールの選定、告知など様々な準備が必要です。

KPIを設定すると最終目標までの過程が数字で見えるようになるため、全体のプロセスや具体的なタスクがより明確になります。

進捗状況も把握しやすくなるため、チーム全体が一丸となって目標に向かって取り組むことができます。部署が異なる場合でも現状が共有しやすくなり、無駄な衝突も避けることができるでしょう。

例えば、集客施策に対してKPIを設定しておくことで、どの施策が効果的だったのか、次回までに改善すべき課題は何かといった振り返りが容易になります。詳しい説明は後ほどいたします。

・分析・改善するときにギャップがわかる

KPIを設定せずにウェビナーを開催すると、良かった点や改善すべき点が感覚的にしか分かりません。しかしKPIを適切に設定していれば、結果を客観的に振り返ることができます。目標と現実のギャップ(ずれ)を把握して、どこに問題があったのか、どんな課題があったのかを洗い出しましょう。

特にウェビナーに慣れていない場合、現実的ではない目標を設定してしまうケースもありますが、KPIが妥当だったか、施策が適切だったかを判断する手助けにもなります。

PDCAサイクルを回して、ウェビナーの成功率を高めていきましょう。

ウェビナーの目標やKPI設定の考え方

ウェビナーの目標やKPIを正しく設定するための考え方をご紹介します。指標や数値も具体的に挙げていますので、ウェビナーの効果を測定するために、ぜひご参考ください。

・目標は目的から考える

ウェビナーのKPIを設定するには、まず最終目的(=KGI)を明確にすることが大切です。一般的なウェビナーの目的には、新規顧客の獲得、リードのフォローアップ、商品プロモーション、そして顧客満足度の向上が挙げられます。

BtoB向けのウェビナーでは、フォローアップ、つまり申込者や参加者を見込み顧客に転換することが主な目的になる場合が多いため、顧客が購買を検討するプロセスを理解することが重要です。

  • 検討初期:貴社の情報に興味を持ち始めたものの、まだ必要性を感じていない段階
  • 検討中期:必要性を感じて情報収集をしているが、不安もあって具体的な行動にはまだ移れていない段階
  • 検討後期:貴社の商品やサービスに強い関心を持ち、導入に向けた詳しい情報を知りたい段階

どの段階にいる顧客をターゲットにするかを考えた上で、目標を設定しましょう。

・KPIとなる指標を洗い出す

ウェビナーのKPIとして考えられる指標には、次のようなものがあります。

  • 集客数
  • 参加申込み数(参加申込み率)
  • 当日参加数(当日参加率)
  • アンケート回収数(アンケート回収率)
  • ターゲット数(ターゲット獲得率)
  • 商談数(商談化率)
  • 顧客獲得単価(CAC)

独自で設定したい場合には「SMARTの法則」というフレームワークが役に立ちます。

  • Specific(具体的な)
  • Measurable(計測可能な)
  • Achievable(達成可能な)
  • Relevant(最終目標に関連している)
  • Time-bound(期限が明確)

この5つの要素を意識することで、目標設定の精度が高まります。

ただし、KPIの指標が多すぎると管理が大変になるため、特に注力する指標は1回のウェビナーにつき3〜5個程度に絞るのが理想です。ウェビナーの目的に合った指標を選びましょう。

例えば、新規見込み客の獲得を目指すウェビナーは幅広いテーマで開催されることが多く、集客しやすい反面、商談につなげるのが難しいです。

この場合は、集客数や参加申込み数、当日参加数をKPIに設定するとよいでしょう。

一方、既存顧客の引き上げ(ナーチャリング)を目的とするウェビナーでは、検討プロセスが進んでいる層をターゲットにします。

テーマが限定されるため集客は難しいかもしれませんが、商談化率が高くなる傾向があります。そのためアンケート回収数や商談数をKPIに設定するのがおすすめです。

・集客数を達成するために必要な施策とそれぞれの目標値を洗い出す

集客数を目標に達成するためには、施策ごとに目標値を設定し、それに基づいた行動計画を立てることが大切です。施策の効果を常にチェックし、必要に応じて調整を行うことで、ウェビナー成功に近づけることができます。

ただし、最初から完璧な目標値を設定するのは難しいものです。ウェビナーの内容やターゲットによって数値は大きく変わりますし、ウェビナーの開催経験が少ない場合は、自社にとって現実的な数値が分かりにくいかもしれません。

以下に集客施策ごとの目標値の例を示しますので、ご参考ください。

自社サイト

自社のホームページやオウンドメディアに、ウェビナーの案内ページを作成します。

サイト訪問者はすでに自社の製品やサービスに関心を持っている可能性が高いので、ウェビナーに参加してみたいと思っている人も多いかもしれません。KPIはページビュー数や申し込み数を設定するのが効果的です。

目標値はアクセス数によって変わりますが、一般的なWebサイトのコンバージョン率(CVR)は2〜3%とされています。例えば、ページビュー数が1,000程度なら、申し込み数は20〜30件が目安になります。

メールマガジン

メールマガジンで既存顧客や見込み客にウェビナーの案内を送る際には、開封率やクリック率をKPIとして設定しましょう。どれだけ多くのメールを送っても、読んでもらえなければ参加申込み数の向上にはつながりません。

業種やターゲットによって差はありますが、メルマガの開封率は15〜20%、クリック率は2〜3%が一般的な目安です。

Web広告

Web広告(オンライン広告)を活用して、幅広く集客を目指しましょう。主なWeb広告の種類は以下の通りです。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • 動画広告
  • メール広告
  • タイアップ記事広告

Web広告を運用する際は、クリック率やコンバージョン率をKPIとして設定するとよいでしょう。

例えばリスティング広告の平均クリック率は、業種によって異なりますが、約2〜6%とされています。

ターゲットやキーワードの選定、タイトルや広告文の内容によって結果は大きく変わるため、ユーザーが思わずクリックしたくなるような魅力的なクリエイティブを作成してみてください。

ソーシャルメディア

自社で運用しているFacebook、X(Twitter)、LinkedIn、InstagramなどのSNSを活用して、ウェビナーの告知を行います。

既存のフォロワーや自社に興味を持っている層に直接アプローチすることができます。また、投稿が拡散されれば新規顧客にもウェビナーの情報が届きます。

SNS告知でのKPIには、エンゲージメント率やシェア数を設定することが効果的です。

例えば、X(Twitter)では以下のようなアクションがエンゲージメントとしてカウントされます。

  • いいね、リツイート(RT)、リプライ
  • ツイートの詳細をクリック
  • 画像や動画のクリック
  • プロフィールのクリック
  • つぶやき内のリンクをクリック

エンゲージメント率はフォロワー数により大きく変動しますが、3〜5%が目安とされています。

セミナー告知サイト

セミナー告知サイトは様々なセミナー・ウェビナーが掲載されているポータルサイトで、「受講して勉強したい」という意欲のあるユーザーが訪れます。

例えば「Peatix」は分析機能が充実しており、KPIを設定しやすい点がメリットです。申し込み数はリアルタイムで確認可能ですし、アクセス解析にも対応しています。

イベントページの閲覧数や流入経路ごとのアクセス数など、細かい数値を把握したい方におすすめできます。

無料セミナーなら無料で掲載できますので、まずは利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、ウェビナーの目標やKPIの重要性、そして設定する際の考え方についてご紹介しました。明確な目標とKPIを設定することで、ウェビナーの成功率が格段に高まり、さらに効果的な改善が可能になります。

当社ではBtoBウェビナーの企画から集客までを総合的にサポートし、ターゲットや予算に合わせた最適な集客方法をプランニングいたします。ウェビナーの効果を最大限に引き出すため、ぜひお問い合わせください。ウェビナーの目標設定や集客に不安がある場合は、ぜひフラグアウトにご相談ください。

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