ウェビナーマーケティングは、コロナ禍による対面でのイベント開催の制限を受け、急速に広がりました。これからウェビナーマーケティングを始めたいと考えている経営者やマーケティング担当者、ウェビナー担当者として着任した方の中には、何から始めればよいのか分からず困っている方も多いでしょう。

そこで本記事では、ウェビナーマーケティングの基本から成功のコツまでを網羅的にご紹介します。効果的なウェビナーを実現するために必要なステップやポイントを分かりやすく解説していますので、ぜひご活用ください。

ウェビナーマーケティングとは

ウェビナーマーケティングとは、ウェビナーを通じて見込み顧客の獲得やブランド認知拡大を狙う手法です。

ウェビナー(Webinar)とは、ウェブ(Web)上で開催されるセミナー(Seminar)を指し、「オンラインセミナー」「インターネットセミナー」とも呼ばれます。

まずはウェビナーのメリット・デメリット、そして近年注目されている理由をご説明します。

ウェビナーのメリット

ウェビナーの主なメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  • より多くの人に情報提供できる
  • コストを抑えられる
  • 信頼関係を築きやすい

ひとつずつ確認していきましょう。

より多くの人に情報提供できる

通常の商談では、地理的な制限下で一対一でのやり取りが基本です。ウェビナーを利用することで、日本全国さらには世界中の人々に同時に情報を発信することが出来ます。

また、ウェビナーはインターネットさえあればどこからでも参加可能です。自宅やオフィスから簡単にアクセス出来るため、参加者側のハードルが低くなり、集客がしやすいという点も強みです。

コストを抑えられる

リアルのセミナーやイベントを開催する場合、1回あたり数十万円、規模によっては100万円を超えることもあります。例えば、以下のような費用が発生します。

  • 会場の予約、設営費
  • 受付・運営スタッフの人件費
  • 交通費、宿泊費
  • 飲食やその他 諸経費

東京都内で25人程度の小規模セミナーを開催する場合、会場を手配するだけで数万円から数十万円が必要です。

一方、ウェビナーならオフィスの一室でPCとマイクを用意するだけで始められます。初回の準備費用はかかるものの、専用の会場を借りる必要もなく、スタッフの数も最小限で済みます。そのため、大幅にコストを抑えることが出来ます。

信頼関係を築きやすい

リアルのセミナーやイベントでは、参加者が質問したくても他の参加者の目を気にしてしまい、積極的にコミュニケーションを取りにくいというデメリットが存在します。

しかし、ウェビナーではWeb会議システムやウェビナーシステムのチャット機能を活用することで、気軽に質問やコメントをすることが出来ます。

例えば、ウェビナー中に講演内容や商品についての質問が届いた場合、講師が使用シーンや効果を具体的に示すことで、参加者は特定分野の理解や商品の価値を理解しやすくなります。

これにより、「この商品は自社に合っていそう」「この人なら信頼できそうだ」と思ってもらえる可能性が高まります。

ウェビナーのデメリット

ウェビナーには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。

  • 離脱率が高い
  • 配信トラブルが発生しやすい
  • 参加者の反応が分かりにくい

対策方法も合わせて解説していきますので、ご参考ください。

離脱率が高い

対面セミナーでは、参加者がたとえ「つまらない」と思っても、その場に留まって話を聞くケースがほとんどでしょう。登壇者が目の前にいますし、名刺交換をしている場合も多いため、話の途中で席を外す等の失礼な行動は避けます。

しかし、ウェビナーでは主催者側に参加者の顔や姿が映らないことが一般的です。ワンクリックでページを閉じることも可能であり、離脱されやすいという点がウェビナーの大きなデメリットと言えます。

さらに、完全に離脱しなくても「ながら聴き」をしているケースも考えられます。つまり、音声は流しているものの、実際にはメールをチェックしたり、ネットで他のページを見たりして話に集中していないのです。

参加者の興味を引き続けるためには、講談の内容を工夫し、インタラクティブ(双方向)な要素を取り入れることが重要です。

配信トラブルが発生しやすい

ウェビナーはオンライン上で行うセミナーのため、技術的なトラブルが避けられません。ネット接続の不具合や機材の故障が発生すると、映像が途中で止まったり、音声が途切れたりします。

これらのトラブルは参加者にとって非常にストレスとなり、ウェビナーの満足度が下がるだけでなく、企業の評価に悪影響を与える可能性も考えられます。

トラブルを最小限に抑えるためには、事前のリハーサルが重要です。本記事でリハーサルのポイントも解説していますので、あわせてご確認ください。

参加者の反応が分かりにくい

リアルのセミナーなら、聞き手の表情やうなずき等から反応を読み取り、「ここはもう少し丁寧に説明したほうが良さそうだ」といった細かい調整が可能です。

しかし、ウェビナーでは多くの参加者がWebカメラをOFFにして視聴するため、参加者の反応が全く見えないことが一般的です。これにより、参加者の理解度や興味の度合いを把握するのが難しくなります。

そのため、話の進め方や内容の調整がしにくく、たとえセミナー経験が豊富であっても「やりにくい」と感じるかもしれません。この問題を緩和するために「事前に顔出しをお願いする」「質問やコメントをチャットで受け付ける」といった工夫を取り入れましょう。

ウェビナーが注目されている背景

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により、数多くの展示会やイベント、セミナーが中止・延期となりました。これをきっかけに、対面形式からウェビナーに切り替える企業が急増しました。

ウェビナーはインターネットを介して行われるため、感染リスクを避けながら情報を発信することが出来ます。また、先述したように「地理的な制約を受けずに多くの人々にリーチ可能」といった様々なメリットがあります。

こうした理由から、ウェビナーは企業のマーケティング戦略において重要な役割を果たすようになっています。

BtoBにおけるウェビナーの位置づけ

ウェビナーは開催の目的により位置づけが変わります。以下に、代表的なものをご紹介します。

  • 新規の見込み客獲得
  • 見込み客の教育
  • 既存顧客の維持
  • 他社と顧客をシェア

新規の見込み客獲得

ウェビナーは新規の見込み客を効率的に引きつける手段です。自社商材・サービスの紹介やデモ、または専門領域における知見やノウハウを提供することで、興味を持った見込み客を集めることが出来ます。

また、事前申し込みやアンケートの情報をもとに、参加者の興味や関心に合わせたフォローアップを行うことで、受注に繋げやすくなります。フォローアップのポイントは後ほどご説明します。

見込み客の教育

見込み客は、自社の顧客になる可能性のあるターゲットですが、購入意欲には差があります。まだ検討を始めたばかりの人もいれば、すぐにでも導入を考えている人もいます。

ウェビナーを通じて、意識レベルに応じたノウハウや製品やサービスに関する情報を提供することで、購買意欲を高めましょう。

例えば、基本的な情報やメリットを紹介するセッションを設けることで、まだ検討段階にある人々の理解・関心を深めることが出来ます。

既存顧客の維持

マーケティングでは新規顧客の確保に目が行きがちですが、既存顧客への対応を疎かにすると企業の売上は低減してしまう恐れがあります。

そこで、既存顧客向けにはウェビナー形式で勉強会やトレーニングセッションを開催するという方法も有効です。これにより、顧客満足度を高め、継続率やリピート率の向上を狙うことが出来ます。

例えば、新機能の紹介や成功事例を提供することで、顧客が製品やサービスをより効果的に活用出来るように支援します。こうした継続的なサポートを通じて、既存顧客との信頼関係を深め、顧客ロイヤルティを高めていきましょう。

他社と見込み顧客リストをシェア

ウェビナーには、”自社のみで開催する場合(単独開催)”と、”他企業と共同開催する場合(共催)”があります。

共催ウェビナーの主なメリットには「自社が持たない見込み顧客にアプローチ出来る」「自社だけでは提供出来ないコンテンツのため申込数を増やしやすい」が挙げられます。

しかし、共催ウェビナーでは単独開催に比べて、自社のセッションに対する参加者の関心度がやや低くなる傾向が見られます。これは、参加者の興味が複数の企業に分散されるため、自社のセッションに対する注目度が下がることが原因です。その結果、受注率が低くなる可能性があります。

共催ウェビナーでは、共済先と協力し合いながらも、自社の強みをしっかりとアピールすることが重要です。

ウェビナーの形式

ウェビナーの配信形式には、以下の3種類があります。

  • リアルタイム配信
  • アーカイブ配信
  • ハイブリッド配信

それぞれメリット・デメリットがあるため、ウェビナーの目的によって使い分けるとよいでしょう。

リアルタイム配信

リアルタイム配信(生配信 / ライブ配信)は、Web会議システム等を利用してオンライン上で行う形式です。

参加者からの質問にリアルタイムで答えることが出来るため、双方向のコミュニケーションを重視する場面、例えば相談会やワークショップなどにも向いています。

決まった日時にウェビナーを行うため、その時間は主催者も参加者も拘束されてしまう点がデメリットです。また、アーカイブ配信と比較すると、参加申し込みの獲得率も低くなりがちです。

アーカイブ配信

アーカイブ配信は、事前に収録した映像を配信する形式です。これにより、視聴者は時間や場所に縛られずにコンテンツを楽しむことが出来ます。そのため、日時が決まっていたり、移動が伴わなかったりすることから、参加申し込みの獲得率は高くなる傾向があります。

ただし、一方的なコミュニケーションになってしまうため、リアルタイム配信に比べると、聞き手側の理解度を高めたり、熱量を上げたりしにくいです。

そのため、参加申込者に対する営業プロセスを進行するうえで、何かしらのフォロー施策が必要になります。

ハイブリッド配信

ハイブリッド配信は、オンラインとオフラインの両方で同時に開催する形式です。

リアルでの直接的な交流とネットの利便性を活用することで、幅広いニーズに対応可能です。特に参加者が100人を超えるような規模(カンファレンスや展示会、フェア、商品発表会等)で選ばれる傾向があります。

ハイブリッド配信は参加者に対して高い価値を提供する一方で、運営側にも高度な準備と運営スキルが求められます。事前の計画と準備をしっかりと行い、成功を目指しましょう。

ウェビナー開催の流れ

ウェビナー開催の流れに沿って、各ステップでのポイントを解説していきます。

会期前

ウェビナー開催前の準備についてご説明します。

講演内容を企画する

ウェビナーが成功するかどうかは企画にかかっています。

まずはテーマとターゲットを決めましょう。自社が伝えたいことではなく、ターゲットが興味を持つコンテンツを作ることが大切です。

例えば、見込み客が現在抱えている課題に関連したテーマを選ぶと効果的です。テーマが具体的であるほど、参加者の期待感を高めることが出来ます。

なお、著名人に講演を依頼する場合は、スケジュールが先まで埋まっている可能性があるので早めに手配しましょう。適当な講師が見つからない場合は、講師派遣を請け負う会社に依頼するのもおすすめです。 

コンテンツを制作する

ウェビナーの方向性が決まったら、講演内容を詳細に計画し、以下のようなコンテンツを制作します。

  • 台本、シナリオ
  • 登壇資料
  • 集客用コンテンツ(メルマガ、SNS等)
  • ランディングページ(LP)、バナー
  • 参加者アンケート

講演中に表示する資料は、ながら視聴を想定して作成しましょう。例えば、文字数は出来るだけ減らします。

例えば、特に伝えたい情報はフォントサイズは24pt以上を使用し、スライドに動き(アニメーション)をつけるようにします。これにより、視覚的に分かりやすく、注意を引きやすくなります。

集客する

オウンドメディアやメルマガ、SNS、ニュースリリース、DMにて、ウェビナーの告知を行います。複数のチャネルを活用することで、より多くの潜在顧客にリーチすることが出来ます。

注意点として、ウェビナーでは申し込みをしたものの当日参加しない方が一定数いることが挙げられます。手軽に申し込み出来るからこそ、キャンセルや無断欠席の割合も高くなってしまうのです。

そのため、申込者へ前日や当日にリマインドメールを送信することが重要です。例えばウェビナーに参加するメリット・開始時間や参加用URL等を記載し、参加を促しましょう。

リハーサルを行う

マイクやカメラ等の機材を設置した上で、本番同様のリハーサルを行いましょう。特にチェックしておきたいのは以下のポイントです。

  • 役割分担(司会の有無)
  • 音声や映像の遅延
  • スライドの見え方、操作方法
  • トラブルが発生した際の対応策

また、機器の確認だけでなく、話し方の練習も重要です。

ウェビナーでは「ながら聴き」が一般的です。参加者の注意を引きつけるために、「声に抑揚をつける」「体の見える範囲でジェスチャーをつける」等の工夫を施しましょう。

会期中(運営)

ウェビナーの台本は、一般的に以下のような構成になっています。

  • オープニング
  • 本編(講演)
  • エンディング

この流れに沿って、ウェビナー実施当日のポイントを確認していきましょう。

オープニング

最初に司会者・登壇者の自己紹介や開催企業の紹介をします。企業の紹介では、事業内容や商品・サービス概要を簡潔に伝えることが重要です。

特に潜在顧客向けのウェビナーでは過度なPRは逆効果になることがあるため、時間をかけ過ぎないように注意してください。

本編(講演)

本編の内容や形式は企業によって様々です。登壇者1人でもウェビナーの開催は可能ですが、プロの司会者に依頼しておくことをおすすめします。

例えば、参加者がチャットに質問を入力し、その都度回答する場合、登壇者だけでは対応しきれないかもしれません。そんな時に司会がいれば、質問をまとめて登壇者に伝えたり、回答を補足したりすることで、スムーズな進行が実現します。

エンディング

エンディングでは、参加者にアンケートへの回答を依頼します。アンケートの設計次第で、その後の商談獲得のしやすさに大きく影響します。

具体的なニーズや関心事項を把握する質問を盛り込むことで、フォローアップが効果的に行えます。例えば「ウェビナーの満足度と、その理由をお聞かせください。」や「商品・サービスについて、当てはまるものを1つ選んでください(資料が欲しい、特に興味はない等)」といった項目がおすすめです。

あわせて、次回のウェビナーの告知や、資料の配布条件も説明し、参加者に次回への期待を持たせましょう。最後に、感謝の意を伝えてウェビナーを終了します。

会期後

ウェビナーマーケティングの主な目的は、見込み顧客を獲得し、商談を生み出すことです。そのため、ウェビナー後のフォローアップは非常に重要です。

以下に、ウェビナー開催後のポイントを簡単にまとめましたので、ご参考ください。

ウェビナー終了後、速やかに連絡する

ウェビナーが終わった後、時間が経つにつれて参加者の興味や関心は薄れてしまい、メールの開封率や反応率も低くなってしまいます。

参加者の熱が冷めないうちに迅速に連絡を取ることが重要です。当日中にメールや電話を行うのが理想ですが、遅くとも翌日までにはフォローアップを行いましょう。

特に共催ウェビナーの場合は、他社よりも早く連絡を取る体制を整えることが重要です。

見込み度合い別にアプローチする

ウェビナーで収集したアンケート結果を活用し、参加者のニーズや関心に応じた提案を行いましょう。

例えば「サービスについて詳しく知りたい」と回答した参加者は見込み度合いが高いため、営業から直接電話をかける等の積極的なアプローチが効果的です。

一方、「興味なし」と回答した参加者に対しては、直接電話をすると「うっとうしい」「しつこい」といったネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。こうした場合には、定期的にメールを配信して、徐々に信頼関係を構築する戦略が有効です。

欠席者も忘れずにフォローする

申し込みをしたものの当日に参加しなかった欠席者にもフォローアップを行いましょう。

欠席の理由は「忘れていた」「急な予定が入った」等様々ですが、見込み客であることには変わりありません。

丁寧なフォローにより「ウェビナーを欠席したのに、ここまでしてくれるなんて」と好印象を与えられるかもしれません。例えば、以下のようなフォローアップが有効です。

  • 講演内容をメールで伝える
  • 資料や動画を添付する
  • 次回のウェビナーを案内する

重要な見込み客を逃さないよう、ぜひ連絡をしてみてください。

ウェビナー成功のコツまとめ

ウェビナーマーケティングの成功には、準備段階、集客段階、講演段階、フォロー段階、各ステップでの工夫と準備が重要です。以下に、それぞれの段階におけるポイントを簡単にまとめました。

  • 準備段階:見込み客の関心が高いテーマを選定。アンケートは商談につなげやすい設計を逆算して作成。
  • 集客段階:コラム記事やSNSで告知。前日にはリマインドメールを送信する。
  • 講演段階:文字が多すぎる資料は避ける。声の抑揚、ジェスチャーを工夫。
  • フォロー段階:関心度を把握する質問を盛り込み、結果を元に迅速にフォローアップ。

これらのポイントを押さえてウェビナーを実施することで、見込み顧客を効率的に獲得し、商談へと繋げることが出来るでしょう。

フラグアウトは、イベント企画から講師・共催先の斡旋、コンテンツ制作、集客、運営までトータルサポートを行っています。ウェビナー開催が初めてで何から取り組むべきか迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちが全力でサポートいたします。