「ウェビナーを開催しても商談や資料請求につながらない」と悩む担当者は少なくありません。多くの企業がウェビナー資料に事例を盛り込んでいますが、営業色が強すぎると参加者の共感や納得を得にくいのが実情です。

効果を出すためには「共感 → 解決への納得 → 行動」という流れを意識することが欠かせません。

本記事では、売り込み感を抑えながら成果を生み出す資料のポイントを紹介します。「事例をどう盛り込めばよいか分からない」「講演資料の構成がマンネリ化している」と感じている方は最後までご覧ください。

なぜウェビナー資料に構成が大事なのか

ウェビナーで成果を出せるかどうかは、資料の構成にかかっていると言っても過言ではありません。単にスライドを並べただけでは参加者の理解は浅く、納得感を得られないため、問い合わせや資料請求といった行動には結びつかないのです。

成果を生み出すには、「共感 → 納得 → 行動」という流れを意識した設計が欠かせません。例えば、参加者や業界に共通する課題を提示し、解決策と成功事例を盛り込めば、内容を自分ごととして受け止めやすくなるでしょう。

具体的には、以下の流れに沿って設計すれば、無理なく行動へ導けます。

  1. 導入(メリット提示)
  2. 講演者プロフィール(共感ストーリー)
  3. 潜在的課題の提示(小事例を交えて)
  4. 課題解決方法(解決案+成功事例)
  5. 課題解決方法(実践方法:できるけど大変 → 外部活用の動機づけ)
  6. サービス紹介(全体の1割程度に抑える)
  7. サービス利用者の実績(導入後の成功事例)
  8. オファー(CTA)

ただし、自社サービスを紹介するセクションには注意が必要です。

特徴や機能を長々と説明すると売り込み感が強まるため、要点を短く整理しましょう。その分、事例を厚く盛り込めば導入後の姿をイメージしやすくなり、ウェビナーの満足度向上にもつながります。

ウェビナー講演資料の基本構成(全体の流れ)

ここからはウェビナー資料の組み立て方を解説します。構成の流れに沿って示していますので、導入から順番に進めてみてください。

セクション内容ポイント・工夫
導入(メリット提示)講演で得られる成果やメリットを提示冒頭で「聞く理由」を明確化。数値やビフォーアフターを示すと効果的
講演者プロフィール経歴や原体験をストーリーで紹介「先生」ではなく「同じ課題を経験した仲間」として共感を得る
潜在的課題の提示参加者が気づきにくい問題を提示共感型の小事例を交え「あるある感」を出す。放置リスクも強調
課題解決方法(解決案)解決の方向性やフレームワークを示す成功事例を交え、解決策の有効性を裏付ける
課題解決方法(実践方法)実践手順を提示「自分たちでもできるが大変」というギャップを作り、外部サービスの必要性を自然に演出
サービス紹介解決を効率化する自社サービスを紹介全体の1割程度に留め、導入後の未来像を語る
サービス利用者の実績導入後の成功事例を提示Before→Afterを数値で示し「成果の証拠」として活用
オファー(CTA)個別相談・トライアル・資料請求など温度感に応じた選択肢を複数用意し、行動を促す

冒頭でメリットを伝える

参加者は数分のうちに「この話を聞くべきかどうか」を判断するため、最初にメリットを明確に示すことが大切です。ターゲットが抱える課題や関心とウェビナーの内容を結びつければ、聞く意欲を高められるでしょう。

できるだけ早い段階で、以下のように「今日のウェビナーを聞くと何を得られるか」を説明します。

  • 失敗しないDXの始め方が分かる
  • 広告運用の最新ノウハウを知ることができる
  • すぐに使えるチェックポイントを持ち帰れる

さらに説得力を強めるには、「500人以上が参加した実績」「参加者の9割が満足と回答」など数値やビフォーアフターを盛り込むのが有効です。開始直後に期待感を持ってもらえれば、その後も集中して耳を傾けてもらえるでしょう。

終了後にアンケートを実施し、結果を次回のウェビナーで紹介することをおすすめします。

自己紹介は共感を生むストーリーに

自己紹介は、参加者との距離を縮める大切な時間です。肩書や受賞歴を列挙すると権威性は示せますが、一方的な印象を与えてしまうかもしれません。

ウェビナーを成功させるためには、「先生」のように構えるよりも、同じ立場で課題に向き合う仲間として語る姿勢が効果的です。

例えば「営業現場で成果が出ず悩んでいたが、業務フローを見直したことで商談数が倍増した」といった体験談を交えると、参加者は自分の状況と重ね合わせやすくなります。

経歴を語ること自体が目的ではなく、ストーリーを通じて「この講師は自分たちを理解している」と感じてもらうことが信頼獲得の第一歩となるのです。

課題を提示するときは事例を交えて

課題を伝える場面では、抽象的なデータや一般論だけにとどめず、参加者が実感を持てる身近な事例を盛り込むことが重要です。「自分の職場にも当てはまる」と感じさせる工夫が求められます。

例えば「営業担当者が日々の対応に追われ、新規開拓が滞る」「社内の情報共有が不足し、業務が属人化する」といった事例は、多くの企業に見受けられるものです。さらに、放置した場合のリスク(機会損失や余計なコスト増加など)を提示すれば、課題の深刻さが伝わり、解決策への期待感が高まるでしょう。

解決案と成功事例で納得感を高める

課題を説明した後は、分かりやすい解決案を提示します。フレームワークや手順を段階的に説明すると「自社でも取り組めそうだ」と思ってもらいやすくなります。

さらに説得力を高めるには、具体的な成功事例を盛り込むことが効果的です。「営業プロセスを見直して商談化率が20%向上した」「顧客対応をマニュアル化したことで作業工数が半分に減った」といった成果は、机上の空論ではないことが伝わります。

実践方法は“できるけど大変”を強調

参加者が実際にどう動くべきかを具体的に示します。例えば「現状の業務フローを整理する」といった取り組みは、多くの企業が社内で実行可能でしょう。

ただし同時に「時間がかかる」「専門知識が不足している」といった負担や制約を明確にすることも欠かせません。やればできるが大変である、というギャップを理解してもらうことで、サービスや製品を導入する意義が自然に伝わります。

サービス紹介は簡潔に、未来像を語る

ウェビナー全体の中で、サービス紹介に割く時間は全体の1割程度に留めるのが理想です。

機能やスペックを細かく説明すると営業色が強くなり、参加者の興味を削いでしまいます。そこで重視すべきなのは「導入後に得られる未来像」を具体的に描くことです。

例えば「営業資料作成に追われていた時間を顧客対応に充てられるようになった」「社内に散在していた情報が一元化され、意思決定のスピードが上がった」といった変化を伝えると、参加者は自分の業務に置き換えて想像できます。

簡潔に要点をまとめながらも、参加者が「導入後の自分たち」を思い描けるような語り方を心掛けましょう。

利用者の実績で信頼を裏付ける

自社が展開しているサービスを語る場合、講師の説明だけでは宣伝に聞こえてしまうことがあります。そのため、実際に導入した企業の成果を具体的に提示することが欠かせません。

特に有効なのは、Before→Afterの変化を数字で示す方法です。「導入前は月10件だった問い合わせが、導入後には30件以上に増えた」「営業資料作成に1週間かかっていた業務が、1日で完了するようになった」といった成果は、参加者に強い納得感を与えます。

さらに複数の実績を並べ、共通する改善点や効果を整理して示せば、単なる偶然の成功ではなく、再現性のある成果であることが伝わるでしょう。

オファー設計で参加者を行動につなげる

参加者を次の行動へ導くには、単に「資料請求してください」と呼びかけるだけでは不十分です。関心度や検討段階に応じて複数の行動を選べるように設計することで、それぞれが無理なく進めるようになります。

動機が浅い層に対しては、「メルマガ登録」や「アンケート回答+資料提供」を提示します。すぐに契約には至らなくても、継続的に情報を届ける仕組みを用意すれば、関係を深めながら購買意欲を高めることが可能です。比較検討を進めている層には、資料の請求やダウンロードURLを案内すると良いでしょう。さらに、最終判断に必要な材料を求めている方々のために、個別相談や無料トライアルを提示します。

まとめ

成果を出すウェビナー資料をつくるには、「共感 → 納得 → 行動」という流れを意識することが欠かせません。要点を改めて整理すると以下のようになります。

  1. 導入でメリットを提示する
  2. 講演者プロフィールを共感ストーリーとして語る
  3. 潜在的課題を提示する
  4. 解決策と成功事例で納得感を高める
  5. 実践方法で「できるけど大変」を示す
  6. サービス紹介は簡潔に未来像を描く
  7. 利用者の実績を数字で示し信頼を強化する
  8. オファー(CTA)を複数用意し行動を後押しする

この流れを押さえれば、売り込み感を抑えつつ成果につながるウェビナーを設計できます。是非本記事を参考に、資料を作り直してみてはいかがでしょうか。

また、ウェビナーは講演資料の準備だけでなく、ランディングページ作成やアンケート回収など多くのタスクが伴います。「社内だけでは負担が大きい」「継続的に実施する余力がない」といった課題を抱えている場合には、フラグアウトのウェビナーBPOをご検討ください。

企画から運営、改善提案までを一貫して支援し、成果につながるウェビナーを実現します。詳細について知りたい方は、是非お問い合わせください。