開催を終えて数字を見た。申込みは思ったより少なく、当日の参加者はさらに少ない。この結果は失敗なのか。続けてよいのか、直すべきなのか、それともやめるべきなのか。
数字を前に迷うのは、合計の数字だけを見ているからです。この記事では、結果を開封・クリック・申込み・参加・商談化という5つの層に分けて原因を探す方法を説明します。そのうえで、続ける・変える・やめるという3つからどう選ぶかを、支援先の実例をもとにお伝えします。
この記事でわかること
- 申込数や参加数という合計の数字では、原因が分からない理由
- 結果を5つの層に分けて、詰まった場所を特定する方法
- 開封率が高いのにクリック率が低かった実例と、その診断
- 続ける・変える・やめるの3つをどう決めるか
- 続けると決めたとき、次回に向けて最初に直す3つ
ウェビナーの結果の見方とは
ウェビナーの結果の見方とは、申込数や参加数という合計の数字ではなく、そこへ至る各段階の数字で原因を特定する振り返りの方法のことです。
たとえば申込みが10件だったとき、その数字だけでは原因が分かりません。案内が読まれなかったのか、読まれたのに響かなかったのか、響いたのに日程が合わなかったのか。原因の候補はいくつもあり、合計値はそのどれも教えてくれません。
とくに初めての開催では、比べる過去の数字がありません。前回と比べて良くなったかで見る方法は、初回には使えないわけです。だからこそ、回数に関係なく使える見方を用意しておきます。それが、段階ごとに分けて見る方法です。
結果を5つの層に分けて見る
読み手は案内に触れてからイベントページへ移り、申し込んで当日参加する、という順に進みます。集客の経路ごとに、見る数字の並びは次のとおりです。
| 集客の経路 | 見る数字の並び |
|---|---|
| メール | 開封率 → クリック率 → 申込率 → 当日参加率 |
| 広告・告知媒体・SNS | リーチ数(表示) → クリック率(イベントページへの誘導) → 申込率 → 当日参加率 |
| 共催相手からの告知 | 開封率・クリック率(数字は相手企業側) → 申込率 → 当日参加率 |
この並びのどこで人数が減ったかを見れば、直す場所を特定できます。どの経路も、当日参加のあとには開催後のフォローを挟んで、層⑤の商談化率へ続く形です。共催相手からの告知や営業の個別案内では、前半の数字が手元に揃わないことがあります。その場合も考え方は同じで、取れる層から順に見てください。以下では、メール集客を軸に順に見ていきます。

層① 開封率|件名と送り手への関心はあったか
最初の層は、案内メールが開かれたかです。
開封率が一般的な相場より高ければ、件名と送り手への関心はあったと読めます。低ければ、その先の中身がどれだけ良くても届いていません。この層で詰まるのは件名と配信の相手選びであって、まだウェビナーの企画そのものの問題ではありません。広告や媒体で集めた場合は、リーチ数(案内が表示された数)がこの層にあたります。
層② クリック率・ページ誘導|テーマが業務と合っていたか
次の層は、案内を見た人がイベントページへ進んだかです。メールも広告も、クリック率(イベントページへの誘導数)で見ます。
実例をひとつ挙げます。当社が支援した、採用領域のサービスを提供する企業の初回開催です。その集客では、開封率は一般的な相場より高いのにクリック率は低い、という結果になりました。件名には関心を持ってもらえたのに、テーマの説明を読んだ段階で離れている。つまり、テーマがその読み手の業務と合っていない可能性が高い、と読めます。この診断は、開封とクリックを分けて見たからたどり着けたものです。合計の申込数だけを見ていたら、「集客不足」で片づいていたはずです。

層③ 申込率|イベントページから申込みへ進んだか
3番目の層は、イベントページまで来た人が申し込んだかです。
先ほどの例では、メール経由の申込みが出ませんでした(申込み自体は、別の集客媒体経由が中心でした)。層をさかのぼって確かめた結果、そのテーマに関心を持つ読み手が、配信先のリストにほとんどいなかったことが分かりました。申込みの少なさは、テーマの良し悪しでも案内文の出来でもなく、届け先の問題だったわけです。原因がリストにあるなら、案内文をいくら磨いても数字は動きません。
層④ 当日参加率|日程と念押しの連絡
4番目の層は、申し込んだ人が当日来たかです。
申込者の全員が参加するわけではありません。ここは日程の設定と、開催前の念押しの連絡で変わる部分です。参加率が低いだけなら、企画もリストも問題ではなく、当日までの連絡設計を直せばよいことになります。あわせて、参加のあとにどう動いてもらうかを先に決めておくと、参加率の数字の意味も読みやすくなります。
▶ 参加後の設計は、以下の記事で解説しています。
🔗 ウェビナー後のフォローアップ設計
層⑤ 商談化率|開催後のアプローチが商談につながったか
最後の層は、開催後のアプローチが商談につながったかです。この層は2段階で見ます。
1段階目はターゲットの申込率(申込者のうち、アプローチに値する狙った相手が占める割合)です。参加者についても同じ割合を見られます。層④までで人数がどれだけ集まっていても、この割合が低ければ開催後の商談は伸びません。
2段階目が商談化率です。ターゲットへのアプローチが商談につながったかを、フォローの期間を決めてその期限で測ります。開催の直後には出ない数字です。ただしカンファレンスのように、ターゲットリストの獲得までをその開催の位置づけとする場合は、商談化率を当日の成果として追わないことも多くあります。どこまでをこの開催の役割とするかは、先に決めておいてください。
続ける・変える・やめるを決める
層別に原因が見えたら、次の選択肢は3つです。続ける・変える・やめる。決め手は数字の高低ではなく、直す場所が特定できたかどうかです。1回の合計値で成果を断じるのは早くても、どこで詰まったかの診断は初回からできます。
続ける|直す場所が特定できている場合
原因の層が特定できていて、そこに打ち手があるなら、続ける判断ができます。
先ほどの支援先の例では、初回の商談獲得は少数にとどまりました。それでも、申込者への個別のフォローで目標の水準に届く見込みが立ちました。テーマに合うリストの把握という、詰まりの根本を直す場所も見えていたため、支援先と当社の判断は継続でした。合計の数字が振るわなくても、どこで詰まり次に何を直すかが言えるなら、その開催は次につながる材料を残しています。
変える|テーマ・形態・集客媒体を差し替える場合
どの層が詰まったかで、差し替えたり直したりするものが変わります。
対応は次のとおりです。
| 詰まった層 | 見直す・差し替える場所 |
|---|---|
| 開封 | 件名と送り手の見せ方 |
| クリック | テーマの立て方 |
| 申込み | リストか集客媒体 |
| 当日参加 | 日程と念押しの連絡 |
| 商談化 | ターゲットの申込率の確認と、開催後のフォロー設計 |
テーマとリストの両方に無理があるなら、開催の形ごと見直す選択もあります。

▶ 形態の見直しは、以下の記事で解説しています。
🔗 単独・共催・カンファレンスの選び方
やめる|届けたい相手のリストが作れない場合
やめてよいのは、届けたい相手のリストが作れず、作る見込みも立たない場合です。
この状態では、テーマや案内文をいくら直しても集客が成立しません。開催を重ねるより、先にリストを作る施策へ戻るほうが前に進めます。これは撤退ではなく、順番の組み替えです。
▶ 向き不向きの判断は、以下の記事で解説しています。
🔗 ウェビナーが自社に向いているかの判断
続けると決めたら最初に直す3つ
続けると決めた場合に、次回へ向けて最初に直す定番が3つあります。いずれも、先ほどの支援先の初回振り返りで当社が実際に提案した改善です。
1つ目は集客期間です。この例では18日間だった集客期間を、30日以上へ延ばす提案をしました。期間が短いと、媒体側で打てる施策の回数そのものが限られるためです。
2つ目は開催前の連絡です。全体への念押しのメールを1回から2〜3回へ増やし、とくに来てほしい企業には個別に連絡を入れる、という組み立てにします。層④の参加率は、この連絡設計で上げやすくなります。
3つ目は、申込フォームで何を差し出すかというオファー設計です。具体的には、面談などの希望を聞く欄に「希望しない」を置かない・回答を必須にしない・面談や資料など選べる幅を持たせる、の3点を見直します。申込みの手前で読み手に負担をかけない工夫で、層③の数字に効かせる狙いがあります。
この3つは、企画を作り直さずに次回へそのまま持ち込める改善です。テーマや資料に手を入れる前に、まずここから確かめてみてください。

▶ 集客の具体策は、以下の記事で解説しています。
🔗 ウェビナーの集客方法
まとめ|5つの層で切り分け、3つの選択肢で決める
ウェビナーの結果は、合計の数字だけでは原因が分かりません。層別に切り分けてから次を決める、が振り返りの軸です。
- 5つの層で見る:開封(広告・媒体ならリーチ)→クリック→申込み→参加→商談化。どこで人数が減ったかで、直す場所を特定する
- 3つの選択肢で決める:直す場所が特定できたら続ける。層に応じて差し替えるなら変える。リストが作れないならやめる
- 続けるなら定番の3つから直す:集客期間・開催前の連絡・オファー設計。企画を作り直す前に確かめる
次のアクション
- 直近の開催の数字を、開封・クリック・申込み・参加・商談化の5つに分けて並べてみる
- 人数がいちばん減った層を1つ選び、その層の打ち手を書き出す
- 次回の集客期間を30日以上に設定し、告知の予定を逆算する
振り返りから入るウェビナー改善支援
当社フラグアウトでは、開催後の振り返りから支援に入ることができます。支援先の振り返りでは、結果を層別に切り分けて原因を特定し、続けるかどうかの判断材料まで揃える形です。次のようなお悩みをお持ちの方に向いています。
- 開催したものの、結果が良いのか悪いのか判断できない
- 申込みが伸びなかった原因を特定できていない
- 続けるべきか、社内に説明できる根拠がない
- 改善したいが、テーマ・集客・運営のどこから手をつけるべきか分からない
- 振り返りの型がなく、開催のたびに感想で終わっている
振り返りの設計から、改善の実行、次回の企画までお引き受けします。支援内容の詳細は資料にまとめています。まずは現状をお聞かせください。
ウェビナーの振り返りにおけるよくある質問
- Q何%あれば合格といえますか?
- A
一律の合格ラインはありません。数字はテーマ・商材・リストの状態で大きく変わるためです。合計値の高低より、5つの層のどこで人数が減ったかを特定できたかどうかで、振り返りの質を測ってください。
- Q初回は比べる数字がありません。何を基準にすればよいですか?
- A
前回比の代わりに、層ごとの減り方で見てください。開封とクリックには一般的な相場という比較軸もあります。詳細は本文「結果を5つの層に分けて見る」セクションを参照してください。
- Q参加者が少なくても、商談にはつながりますか?
- A
つながることがあります。人数と商談への近さは別の軸で、テーマを絞った開催なら、少人数でも検討の進んだ相手が集まりやすくなります。人数の少なさだけで失敗と決めないでください。
- Q何回続ければ判断できますか?
- A
回数では決まりません。見るべきは、直す場所が特定できているかどうかです。特定できないまま回数だけ重ねても判断は進まず、特定できていれば1回ごとに前へ進めます。
- Qすべての層で数字が悪かったら、どうすればよいですか?
- A
まず配信先のリストから確かめてください。すべての層で数字が低いときは、届けた相手とテーマがそもそも合っていない可能性が高いためです。リストが作れない状態なら、開催をやめて、リストを作る施策に戻る判断もあります。
- Q社内への報告はどうまとめればよいですか?
- A
合計値だけでなく、5つの層の数字と「どこで減ったか」を添えて報告してください。原因の場所まで示せると、続ける判断も予算の相談も、感想ではなく根拠のある話になります。
