ウェビナーは多くの企業で活用されていますが、「申込みは集まったのに参加者が少なかった」という課題に直面する担当者様も少なくありません。
当日のキャンセルを減らし、その後の商談や受注につなげるには、どのような工夫が効果的なのでしょうか。
本記事では、参加率を高めるために取り入れたい具体的な方法をご紹介します。小さな改善でも参加率を大きく向上できる場合もあります。ぜひ、お役立てください。
ウェビナー参加率の平均は?
ウェビナーの参加率が数ポイント上がるだけで、商談やトライアルにつながるリードの数も大きく変わります。
例えば100件の申込みがあったケースを考えると、参加率が30%であれば当日の参加者は30名、40%なら40名、50%なら50名です。商談化率を20%と仮定すると、商談件数は6件から8件、さらに10件と増えていく計算になります。
参加率を計測している企業は多いですが、自社の数値が十分なのか判断しづらいのが実情でしょう。そこで目安となるのが、99Firmsの調査です。
- 製薬業界や金融サービス業界:約61%
- コンサルティング業界:約50%
- SaaS業界:約46%
- 広告業界:約33%
参照:99Firmsー5 Webinar Statistics and Online Event Facts
業界や顧客層の特性によって差はありますが、全体の平均は46%と報告されています。現在は平均を下回っていたとしても、工夫次第で参加率を改善できる余地は十分にあり、50%以上を目指すことも可能です。
ウェビナー参加率を高める7つの工夫
ウェビナーに申込みをしても、当日に参加しない人は少なくありません。参加率を上げるためには、事前準備や開催後の対応まで工夫を取り入れる必要があります。
- タイトルで価値を伝える
- 申込完了後のリマインドを設計する
- カレンダー登録リンクを付与する
- 事前アンケートで関心を引き出す
- ティザーコンテンツで期待感を醸成する
- 双方向性を設計する
- フォローアップで次回の参加につなげる
ひとつずつ見ていきましょう。
タイトルで価値を伝える
申込み直後は気持ちが高まりやすいものですが、開催日まで期間が空くと「本当に必要だろうか」と考え直し、不参加に傾くケースも多くあります。
そのため、まずタイトルで「なぜ参加すべきか」を明確に示すことが欠かせません。「自分にとって価値がある」と強く認識できれば、その後の意欲が冷めにくく、当日の出席につながりやすいのです。
効果的なのは、ターゲット層に直結するメリットを盛り込むことです。例えば「人事向け:最新のリモートワーク活用術」や「経営層必見:限られた予算で成果を出すマーケ施策」のように、立場と利点をひと目で理解できる表現は参加意欲を大きく後押しします。
さらに「参加者限定の特典」を提示することで希少性も生まれます。講演資料の配布やアーカイブ動画、無料体験版などを明示すれば「参加しなければ損」という気持ちを引き起こすため、参加率の上昇につながるでしょう。
リマインドを設計する
申込み時には参加するつもりでも、「忘れていた」「他の予定が入った」といった理由で当日参加しない方も少なくありません。これを防ぐには、リマインドメールを送ることが重要です。
基本的には、以下の4種類を準備しましょう。
- 登録直後:申込完了のお礼と、視聴方法の案内
- 3日前:内容を改めて紹介し、期待感を高める
- 前日:開始時間や接続方法を再確認できるように伝える
- 当日(開始1〜2時間前):直前のリマインドと視聴リンクの再案内
メールを送っても開封されない可能性もあるため、件名も意識しましょう。「明日開催|人事向けリモートワーク活用術セミナー」や「業務効率化!最新のリモートワーク活用術セミナーへのご参加お待ちしております」といった具体的かつ期待感を与える文言が効果を発揮します。
以下に文例を示します。必要に応じて編集のうえ、ご利用ください。
〇〇様
お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
先日は、弊社の 〇〇ウェビナーへお申込みいただき、誠にありがとうございます。
間もなく開催日となりましたので、改めてご案内申し上げます。
日時:20〇〇年〇月〇日(曜日)〇時〇分〜〇時〇分
視聴URL:〇〇〇〇
お問い合わせ先:〇〇〇〇
当日、オンラインでお会いできますことを楽しみにしております。
カレンダー登録リンクを付与する
特に日々の業務が忙しいと、「申込んだのに当日忘れていた」という状況が起きがちです。
カレンダーに自分で書き込む方法もありますが、参加者にとっては手間がかかり、徹底されにくいでしょう。この課題を解消するには、開催側がワンクリックで予定に追加できる仕組みを提供することが効果的です。
GoogleカレンダーやOutlook、Appleに対応したリンクやICSファイルを準備し、申込完了画面や確認メールに設置しておきましょう。以下は、申込完了画面での文言例です。
参加忘れ防止のために「Googleカレンダーに追加」をご利用ください。予定の説明欄に視聴リンクやセミナー名を記載します。
手軽に導入したい場合は、Zoomなどカレンダー登録機能を備えたウェビナーツールを利用するとよいでしょう。参加者が簡単に予定へ組み込めれば、当日の出席率は一段と高まるはずです。
事前アンケートで関心を引き出す
ウェビナー終了後のアンケートを実施している企業は多いですが、開催前にアンケートを取ることも有効です。質問例として次のようなものが考えられます。
- 今回のウェビナーで特に学びたいことは何ですか?
- ウェビナーにどのような期待をお持ちですか?
- 〇〇についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
- ご質問やご相談があればお聞かせください
あらかじめ「聞きたいテーマ」や「解決したい課題」を収集しておき、当日の内容に反映することで満足度が高まります。
例えば冒頭で「事前アンケートで多かった質問はこちらです」と紹介したり、Q&Aセッションで優先的に回答したりするとよいでしょう。「自分の意見が反映された」と感じた体験が、次回以降の参加意欲にもつながります。
ティザーコンテンツで期待感を醸成する
参加率を高めるには、「当日にどんな情報が得られるのか」をイメージさせることも欠かせません。
その役割を果たすのがティザーコンテンツ(先行公開する素材)です。ティザーの分かりやすい例は、映画の予告編です。全体を見せず一部だけを示すことで、申込者の関心を高められます。
具体的には、登壇者が30秒ほどでテーマを語るショート動画、スライドの一部を切り出した画像、事例紹介の冒頭部分をメールやSNSを通じて配信しましょう。
申込者は「このウェビナーは見逃せない」と感じ、開催を待ち望むはずです。
双方向性を設計する
多くのウェビナーは講師が一方的に話す形式になりがちです。その結果、参加者は画面越しに聞くだけの状態となり、集中力が途切れて途中離脱につながるという課題があります。
こうした状況を避けるには、以下のような双方向コミュニケーションを組み込みましょう。
- 投票やクイズを実施し、結果をリアルタイムで共有する
- チャットやQ&A機能を活用して、その場で質問に答える
- ブレイクアウトセッションを挟み、意見交換を行う
参加者がウェビナーに加わると、「受動的に視聴する」状態から「能動的に参加する」意識へと切り替わります。主体的に関われたと感じれば満足度が高まり、「次回も参加したい」という気持ちが生まれるでしょう。
フォローアップで次回を意識させる
ウェビナー終了後、当日または翌日にお礼のメールを送りましょう。「参加者限定特典」や「次回予告」を添えると、リピーターを増やすきっかけになります。
さらにアンケートを実施すれば、満足度や改善点を把握でき、次回のプログラム改善につながります。設問に「デモ希望」や「営業担当からの連絡希望」といった項目を設ければ、商談にも直結します。
メール例文は以下のとおりです。必要に応じて編集してご利用ください。
件名:〇〇ウェビナーへのご参加 ありがとうございました
〇〇様
〇〇ウェビナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。
本日ご紹介した資料を添付いたしましたので、ぜひご覧ください。
また、以下のURLよりアンケートにご協力いただけますと幸いです。
ウェビナーおよび資料が皆様のお役に立ちますことを願っております。
まとめ:小さな工夫が大きな成果を生む
ウェビナー後の商談やトライアルにつなげるには、どれだけ多くの人に参加してもらえるかが重要です。本記事で紹介した7つの工夫を振り返ってみましょう。
- 魅力的なタイトルで価値を伝える
- 申込完了後のリマインド戦略を設計する
- カレンダー登録リンクを付与する
- 事前アンケートで関心を引き出す
- ティザーコンテンツで期待感を醸成する
- 双方向性を設計する
- フォローアップで次回の参加につなげる
組み合わせて実践すれば、50%以上の参加率も十分に狙えます。しかしウェビナーには幅広い知識と運営スキルが求められるため、自社だけで運用するのが難しいと感じるかもしれません。
フラグアウトはBtoB向けのウェビナー支援サービスを提供しており、企画から運営、改善提案までをサポートしています。ウェビナーの効果をさらに高めたいご担当者様は、是非一度ご相談ください。