BtoB事業でSNSの運用を行う場合、SNS特有の”炎上”が気になる点として挙げられます。事前にどのようなことが原因でどのようなことが発生したいのか分かれば、未然に防ぐ、または損害を最小限に抑えるための対策を打つことができます。
しかしながら、BtoCにおけるSNSの炎上事例はインターネットで話題になり、ニュースで取り上げられることがあっても、BtoBにおけるSNSの炎上事例は調べてもなかなか事例がありません。
そこで本コラムでは、BtoCの事例をもとにして、BtoB企業のSNSアカウント運用者が気をつけるべきことをまとめてみました。
ぜひ、BtoB事業でSNSを活用している企業様の参考になれば幸いです。
企業SNSアカウントが炎上した場合の企業側のデメリット
すでに企業SNSアカウントの運用を行っている担当者の中は、自社のSNSアカウントが炎上しないようガイドラインを作るなどして十分に対策を行っている場合もあるでしょう。他方、企業SNSアカウントの有用性をある程度認知している企業でも、炎上を恐れ、あえてSNSアカウントを運用しないという選択肢を取る企業も存在しています。
SNSアカウントが炎上した場合、企業のイメージ低下につながる可能性は少なからず存在します。具体的には、企業への信頼度が低下し、顧客離れなどによって業績が悪化する可能性があります。また、今後のビジネスの展開にも影響を及ぼす可能性もあるかもしれません。
企業SNSアカウントが炎上した場合、企業SNSのコメント欄だけでなく、SNSからのダイレクトメッセージ、企業サイトの問い合わせ窓口などにも批判がくる場合もあります。また、まとめサイトやニュースに取り上げられることにより情報が拡散し、企業が築き上げてきた信頼を失墜させます。実際に、SNSから始まった炎上騒動によって倒産に追い込まれた企業は存在します。
この現象はSNSが発達した現代だからこそ、どの企業でも十分に起こりうる事象であり、企業側がSNSアカウントの運用を慎重になる原因かもしれません。
BtoCの炎上事例から見る炎上の傾向
新聞やインターネットニュースなどに掲載されるような、過去に有名になった炎上を下図の通りまとめました。
媒体 | 内容 | 分類 |
個人会員サービスの改定に怒ったユーザーが、Facebookページでの投稿に対し、批判を繰り返したことで炎上。 | クレーム | |
芸人とのコラボを行うが、企業イメージとフォロワー層がマッチせず | クレーム | |
カップ焼きそばに虫が混入しているといった内容の投稿が個人のtwitterアカウントから行われる。 | 商品、サービスの過失 | |
Instagramの投稿で、自社のサプリメント商品の投稿を行う。その内容の中に薬事法違反に抵触する内容があり、その後SNS及び公式サイトで謝罪を表明。 | 誤情報の記載 | |
自社のアカウントであることを非公開にして自社サイトの宣伝を行い、「ステマ(ステルスマーケティング)」に該当するとして炎上。 | 自作自演 | |
日本の原爆記念日(8月9日)にTwitterの公式アカウントで「なんでもない日おめでとう」とツイートしたことで批判の声が殺到 | 不適切投稿 | |
特定の個人に「ぶさいく」とつぶやきする。そののちに、企業側はSNS担当者の誤投稿だと発表。 | 不適切投稿 | |
「みんなは○○(伏せています)で何盗んだことある?」という吹き出しの投稿を行う。ハッシュタグでは「#これは大喜利です」と記載していたが、公式SNSが投稿する内容ではないとして炎上。 | 不適切投稿 | |
飲食店の冷蔵庫に寝そべる写真が、バイト社員の個人アカウントから投稿される。不衛生だとして炎上。 | 不祥事・スキャンダル |
以上の事例は数ある炎上の中の一部となりますが、これらの事例からある程度の分類ができます。その分類の中でも、”組織の過失”と”個人の過失”の違いがあります。
組織の過失
- クレームや批判
- 商品、サービスの過失
- 誤情報の記載
- 自作自演(ステルスマーケティング)
個人の過失
- 不適切な投稿(SNS運用担当者の偏見が入った投稿、不謹慎な内容の投稿など)
- 不祥事・スキャンダル(従業員の個人アカウントの悪ふざけや、情報漏洩など)
世論やSNSユーザーの反感を買うような投稿内容を行い、炎上してしまうことが多いようです。また、商品の異物混入など商品やサービスの過失が引き金となって炎上する場合がありますが、この場合はSNSというよりも企業の管理体制に問題があることが想定されます。
BtoB企業のSNSアカウントにおける炎上が発生すると考えらえるケース
BtoB向けの商材を扱う企業が企業SNSを運用している場合、BtoCの事例をもとに炎上が起きるケースを想定すると以下の理由が原因になることが考えられます。
組織の過失
- 誤情報の記載
- 自作自演(ステルスマーケティング)
個人の過失
- 不適切な投稿(SNS運用担当者の偏見が入った投稿、不謹慎な内容の投稿など)
こう見ていただくと、案外炎上が発生する要因は少なく、投稿したSNS内容以外で起きる社員の不謹慎な内容の投稿、商品・サービスに対する不満といった企業SNSアカウントへの投稿内容以外のところで発生する炎上が多いと考えられます。商品のデータ改ざんなどニュースに取り上げられるような不祥事を起こした場合などは、ニュースを経由して企業SNSも炎上するという事態になる可能性も高くなります。
しかしながら、BtoB企業でもSNSアカウントに不適切投稿を行えばその限りではありません。BtoB企業のSNSアカウントはBtoC企業のSNSアカウントと比べ、しっかり投稿のルールであったり、オペレーションをしっかり構築しておけば、企業SNSの投稿内容起因の炎上は未然に防げますので、しっかり対策を取っておきましょう。
BtoBのSNSアカウント運用の炎上を防ぐには
それでは、炎上を防ぐにはどうすれば良いでしょうか。
炎上を防ぐためには、炎上の原因を取り除くことが大切だと言えるでしょう。例えば、今まで述べた炎上の理由から以下のような対策が考えられます。
- 問題になりそうな話題や言葉を投稿内容に含めない
- 投稿する前に、投稿内容を複数人でチェックする
- 過去の事例から、炎上対策をマニュアル化する
- SNS運用について、社員教育を徹底する
ここで、商品の過失などはSNSではなく組織側の問題と言えます。根本的な問題は企業によって異なるため、SNSとは別な観点から対策を講じるべきでしょう。
不適切投稿への対策
これを踏まえたうえで、基本的には、不適切な投稿を行わないことがSNSの炎上対策には一番有効です。SNSやニュースを普段から見る人であれば炎上しやすい話題はある程度把握しているかもしれません。
誤投稿への対策
SNS運用の担当者が一人だけの場合、オペレーション上でミスをする可能性は高まります。運用担当者によっては本人が自覚している、自覚していないに関わらず、投稿内容にバイアスが掛かかってしまい、炎上することも十分あり得ます。投稿に間違った内容はないか、炎上する内容が含まれていないかなど、炎上対策のうえで、複数人でのチェック体制は必須です。
つまり、オペレーションのミスを防ぐことができれば、炎上などのトラブルは起きにくいと言えます。
個人アカウント運用における社員教育
SNS上の不祥事・スキャンダルの事例から見て取れるように、本当に必要なのは勤務している社員からの投稿によるものなので、社員へのSNS活用教育も重要だと言えるでしょう。SNS自体の利用を禁止にすることは難しい時代であるため、受け入れる前提で企業として注意しておいてほしいことやBtoCの炎上事例などを知識としてインプットしておくことで個人アカウントからの企業への飛び火は低減できるでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
BtoCと比較し、SNS投稿内容を起因とした炎上はしっかり対策を取っておけば起きにくいと考えれます。しっかり未然に対策を取りましょう。
当社フラグアウトでは、BtoB企業に特化した企業SNSアカウントの運用サポートを行なっております。
投稿ルールを制定するサポート、チェックリストをもとにした運用代行などを行なっております。ぜひ、企業SNSアカウントの運用におけるお困りごとがある場合はご相談いただければ幸いです。