自社のコンテンツやサイト誘導を目的にSNS広告を試してみたいというBtoB企業様向けにSNS広告の基礎から解説をします。
BtoBビジネスでも利用される「SNS広告」とは
SNS広告とは、BtoBシーンでもよく利用されるサービスを例にすると、Twitter、Facebook、Instagram、LinkedIn、eightなどのSNSプラットフォーム上に配信することができる広告を指します。
SNS広告は、検索連動型(リスティング)広告同様に、予算金額の設定や予算の活用方針、広告を配信す場所や広告文の調整など運用者が行える運用型広告に位置します。
BtoB商材といっても、企業に属する個人にリーチする必要があるため、日常的に利用されているSNS上に自然な形で静止画や動画を使って広告が出せるメリットは大きいでしょう。
具体的にどのようなメリットがあるのか次章で紹介します。
SNSマーケティングとSNS広告の違い
SNS広告とSNSマーケティングの違いに関する質問をお打ち合わせ時に受けることもあるので、先にSNSマーケティングとSNS広告の違いを解説します。
まず、SNSマーケティングとは、下図にある「SNS広告」「SNSアカウント運用」「SNSキャンペーン」「ソーシャルリスニング」「インフルエンサー活用」などの5つの手法を総称して一般的には使われています。
このSNSマーケティングのうちの1つの手法としてSNS広告がある、という位置付けで理解されると良いでしょう。
SNSマーケティングについて詳しくはこちらのコラムでも解説しています。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
BtoB企業がSNS広告を活用する5つのメリット
BtoB企業がSNS広告を活用するメリットを5つ紹介します。
高精細かつ高精度なターゲティングが可能
SNS広告が人気である理由の一つに、指定できるターゲティング条件が細かく、かつ精度が高いことが挙げられます。
この高精度の背景には、(SNSによっては)実名登録制であったり、年齢、居住地、勤務先、興味関心などをSNSアカウント登録時に入力が必要であり、広告配信時にはこの登録情報を活用したターゲティングが可能となっているためです。
検索ユーザー以外へのリーチが可能
SNS広告は、検索ユーザーでリーチできない層にアプローチをすることが可能です。
検索エンジンは自社商材名や自社商材に関連するキーワードの検索数に依存してしまいます。BtoB商材ですと、顕在化キーワードを狙おうとする場合、知名度がない商材ですと数十から数百程度の検索ボリュームとなり、すぐに頭打ちがきます。対策するキーワードを自社商材に関連する課題やニーズ軸まで広げてSEO対策する場合、良いコンテンツを作りWeb上への公開を繰り返さなければならないため、時間や工数を要します。
誰でも少額から手軽に早く始められて、未認知層や潜在層へアプローチできるメリットがあります。
離脱ユーザー、休眠ユーザーの掘り起こしに有効
SNSによっては、勤務先情報やメールアドレスを使ってマッチングしたユーザーや企業に所属する方にのみ広告を配信することが可能です。
また、自社のWebサイトへ来訪したユーザーがサイトを離脱した場合、SNS上でサイト離脱ユーザーに広告を表示し、再度、サイト来訪を促すことが可能です。
細かい分析による改善が可能
ほとんどのSNSプラットフォームには豊富な分析機能がついているため、そのデータを見ながら改善をしていくことで効果を高めることができます。
どのような属性のユーザーに広告が表示され、どのようなバナーがクリックされているのかなど細かい分析ができるため、どのような広告表現であればどのようなユーザーが反応するのかという点でも活用することが可能です。
フォローやシェアによる認知促進が可能
広告を出稿し、認知を獲得していくと、広告配信された投稿を「いいね」や「シェア」してくれることで拡散されたり、SNSアカウント自体をフォローしてくれる可能性もあります。このようなSNSならではの機能による
リスティング(検索連動型)広告と業界特化ポータルメディアとの比較
SNS広告がよく比較される、リスティング(検索連動型)広告と業界特化のポータルメディアとの違いを、「活用方法」、「広告形式」、「ターゲティングの精度」、「アプローチボリューム」、「リードの質」、「リード獲得単価」の観点で当社の経験をもとに比較表を作成しました。
SNSに関しては、LinkedInやeightなどのようにビジネス特化したSNSを「ビジネスSNS」とし、その他、Twitter、Facebook、Instagramなどを一般SNSとして分類しています。
活用方法
それぞれの特徴を活かすと活用方法も変わってきます。SNS広告の特徴としてはターゲットを絞り込むことで何度もその層に低いコストでアプローチを繰り返すことが可能です。
広告形式
ビジネスSNSと一般SNSを活用したSNS広告と検索連動型(リスティング)広告は、自社で調整ができる運用型広告です。よく比較される特定業界に特化したビジネスポータルメディアは、メディア運営企業側が純広告や成果報酬型広告のように出稿プランに合わせて運用してくれる点が異なります。
ターゲティングの精度
検索連動型(リスティング)広告は、検索キーワード絞り込みによる広告がメインであるため、会社の規模感や業態などターゲットにしていない属性が流入してきます。一方、SNSやビジネスポータルメディアは検索連動型(リスティング)広告と比較し、ターゲティングできる項目として利用登録時の内容を活用できるため、非常に制度が高いターゲティングが可能です。
アプローチボリューム
アプローチボリュームは、一般SNSは数千万ユーザーを抱えているため、大きいため、◎にしています。しかし、ビジネス目的で利用しているユーザーへのアプローチに限定的であるビジネスSNSと業界特化型ビジネスポータルメディアはアプローチできるボリュームとしては少なくなります。
リードの質
リードの質は、検討段階及び営業ステップの観点で評価してみます。
その場合、検索連動型(リスティング)広告は検討段階が具体的な検討に入っている、または入ろうとしているユーザーが多い(キーワードによるが)ため、質が良い◎としています。その点他のビジネスポータルメディアやSNSは潜在的なユーザーからの反応を得る活用方法が中心となることが多く、リードの質は△としています。ビジネスSNSに関しては△の媒体と比較し、ターゲットの獲得効率の点からリードの質は少しよくなると思いますので、リードの質を○としました。
リードの獲得単価
リードの獲得単価は△であれば比較的高い、◎であれば比較的安く獲得できることを指しています。
このようにみていただくとホワイトペーパーのダウンロード獲得やセミナー申し込みを数千円で獲得できる事例も多い一般SNSを◎としています。一方でホワイトペーパーのダウンロード獲得でも、初期の投資が50万や100万単位になることも多いビジネスポータルメディアは一件あたりのリード獲得単価が数万円単位になることが多く△、リスティングも検討段階が受注に近い位置にいることもあり、一件あたりの獲得単価は数万円から数十万円になるため、比較的高い傾向があります。
ビジネスSNSは、これらの間で獲得できている事例があるため、○としています。
リード単価だけで判断はせず、リードへのアプローチするための工数や商談獲得単価での評価といった点も考慮が必要です。
BtoB企業に向いているSNSプラットフォームごとの比較
BtoB企業でよく使われており、向いているSNSプラットフォームの特徴を「登録者数(日本国内)」「主な利用者年齢層」「SNSのコンセプト」「フィードに流れる情報」「SNSへの登録時に入力する情報」「企業ページ」の6つの観点から比較してみました。
Twitterの特徴としては、4つのSNSプラットフォームの中では、登録者数(日本)が最も多い約4,500万人と言われています。
利用者年齢層のボリュームゾーンとしては10代-30代が多く、匿名で登録できます。匿名で登録できる点から1人で複数のアカウントを保有している可能性もあり、ユニークでビジネスように活用しているアカウント自体はもっと少ない可能性が高いです。
Twitterが潜在層よりも未認知層へのアプローチに向いていると言われることが多い理由には、これらのSNSの中でもリツートや引用リツートという機能を使ってリツート元のTwitterアカウントのフォロワーにも投稿内容が表示されることから、非常に拡散性が高いためです。また、拡散されるための仕掛けとしてSNSキャンペーンがありますが、これらの中で唯一金券をインセンティブをキャンペーンの参加条件に、フォローとリツートを促すことが可能です。
しかしながらBtoBでは金券をインセンティブにしたキャンペーンは、企業に属する個人として受け取れないケースも多く、BtoBのSNSキャンペーンとしては、書籍や資料のプレゼント、イベント案内に使われることが多くなっています。
Facebookは2019年7月時点で公開されている情報によると登録者数(国内)は、2,600万人となっています。近年のFadcebookはリアルな繋がりがある方との交流を目的として30-50代の利用が多いプラットフォームです。
原則、実名登録で一人当たり1アカウントの利用が推奨されており、現在から過去の勤務先や学歴、興味関心のある分野などの情報も入力ができることから、それらの情報を活用した広告配信ができる点が特徴です。また、ビジネスに関わるセミナー申し込み獲得や資料ダウンロードの広告の出稿が多くあります。
また、広告を配信するためには、企業ページの作成が必須となっています。近年ではFacebookのアルゴリズムが2018年に変更になったことにより、Facebookの通常時投稿の自然流入がほとんど見込めなくなったこともあり、投稿内容の拡散目的で広告を活用する企業が以前よりも増えております。
Instagramは画像や写真データを投稿していくSNSであり、2019年6月時点で3,300万人(日本)で利用されていると言われています。
Instagramは、Twitter同様に匿名での登録が可能となっていますが、特徴としてはFacebookの広告管理画面からInstagramへの広告配信も可能であることから、Facebookと合わせて活用する企業も多いです。
BtoB企業ではFacebook同様にホワイトペーパーのダウンロード獲得やセミナーの申し込み獲得に活用されていることが多いです。また、10代-30代が多く利用していることから、販売促進以外に20代の若手採用のための母集団形成のために活用するBtoB企業も存在しています。
日本国内では2022年8月時点で300万人の登録者数と他のSNSプラットフォームと比較すると登録者数は少ないもののビジネス目的で利用しているユーザーが多く、近年利用者も増加していることが特徴です。
広告でターゲティングできる情報も、勤務先企業の情報や職種、興味があるスキルなどといったようなビジネスに直結する項目でのセグメントが可能です。
また、販売促進目的の広告活用はもちろん、採用情報を掲載するための機能も付帯しており、採用応募を獲得するための広告配信も可能であることが大きな特徴の一つになっています。
BtoB企業がSNS広告を実施する際に気をつけること
ここまで紹介したようにSNS広告は活用の仕方次第で大きな成果を得ることができる広告手法です。
とはいっても、それぞれのSNS毎に特徴が異なる点から以下に気を付けて広告出稿を行うことが大切です。
目的・目標の設定
どのような目的で実施するかを決めた後、目標を決めましょう。最近このSNSが人気だからという理由でSNSを選定するのではなく、まず自社でどのような目的でSNS広告を実施するのかから決めることが大切です。
ターゲットとペルソナの整理
目的、目標を設定したら、次はターゲットとペルソナを整理しましょう。どのようなターゲット群にいるどのようなペルソナの方へアプローチしたいのかを明確にしておくことで、配信後の効果分析・改善がしやすくなります。
SNSプラットフォームの選定
「目標・目的の設定」「ターゲットとペルソナの整理」を行ったら、次にSNSプラットフォームを選びます。
自社の目的達成に相応しいSNSプラットフォームはどれか?
ターゲットとペルソナが多く存在し、リーチできるSNSプラットフォームはどれか?
を踏まえて、SNSプラットフォームを選択することをお勧めします。
分析・改善方法
広告の実施後は、目的・目標を達成しているのか、ペルソナにアプローチできているのかという観点で分析し、改善を続ける必要があります。
運用型広告という特徴から3ヶ月程度実施し、少なくとも3回は分析・改善活動を続けていき、目標に近づけていく運用が必要です。
この分析をするためにどのような指標を定点観測するのか、何の指標が悪ければどのような改善策が考えられるのかなど先にイメージしておくことでスムーズに改善活動が行えます。
SNSごとの特徴を活かして効果を最大化するために
SNSごとに特徴が異なるように、成果を早く上げるためにはSNS広告の運用におけるノウハウやスキルも必要になってきます。
まずは少額で自社で運用してみるという方法もありますが、SNS広告の運用方法を学んだりする時間を短縮する意味合いでも運用実績のある支援会社に相談してみる選択肢も持っておくこともお勧めします。
当社ではBtoBに特化したSNS広告の運用支援を行っております。目的設定、ターゲットやペルソナの設定、バナー制作や誘導先ページの制作、効果分析・改善策の立案といったSNS運用に必要な業務を一気通貫でサポートしております。
以下よりお気軽にご相談ください。