セミナーといえば1社で開催する「単独セミナー」が一般的ですが、近年では複数の企業が共同で開催する「共催セミナー(共催ウェビナー)」がBtoBマーケティングの有力な施策として注目されています。

他社と協力することでコンテンツの質が高まり、自社単独では接点を持てなかった見込み客にもリーチできるためです。一方で、共催ならではのデメリットや運営の難しさも存在します。

本記事では、共催セミナーのメリット・デメリットに加え、開催までの具体的な流れ、共催先の探し方、さらには自社運営と外注代行のどちらを選ぶべきかまで、実務に必要な情報を網羅的に解説します。

共催セミナー(共催ウェビナー)とは?単独セミナーとの違い

セミナーの開催形式には「単独セミナー」と「共催セミナー」の2つがあります。

「単独セミナー」は、1社が企画・運営を行い、自社の製品やサービスに特化した内容を発信するセミナーです。自社の強みを最大限に打ち出し、参加者に対して自社の魅力を直接訴求できる点が特徴です。

一方、「共催セミナー」は、2社以上の企業が協力して企画・運営するセミナーを指します。各社が持つ顧客リストや専門知識を結集し、参加者にとって多角的で有益なコンテンツを届けられるのが強みです。

オンラインで開催する場合は「共催ウェビナー」と呼ばれ、Zoomなどの配信ツールを使って実施します。場所の制約がないため、より多くの参加者を集められる点もメリットです。

共催セミナーには大きく分けて以下の2つの形式があります。

幹事型(主催型):1社が主催者として費用を負担し、共催各社は集客協力を条件に参加します。主催企業は全参加者のリード情報を獲得でき、登壇順やPR枠も優先的に確保できます。

対等型(共同主催型):複数社が均等に費用を分担し、リードも均等に分配します。各社の負担は軽いですが、運営の意思決定に時間がかかりやすい傾向があります。

目的やリソースに応じて最適な形式を選ぶことが重要です。

共催セミナーの開催形式を比較

マーケティング施策全体の中で、共催セミナーはどのような位置づけなのでしょうか。以下の表で、主要なセミナー形式の特徴を比較します。

項目オンラインカンファレンス
(10~15社)
共催ウェビナー
(3〜5社)
単独開催
(課題解決型)
単独開催
(サービスデモ)
集客人数の例250〜1,000名100〜200名30〜50名10〜20名
商談転換率の例1~3%3〜5%5〜10%15〜20%
想定商談数の例3〜30件3〜10件2〜5件1~2件
企画からの準備期間の例4〜6ヶ月2.5〜3ヶ月2〜2.5ヶ月2〜2.5ヶ月

※ 上記数値は一般的な目安です。業種・テーマ・集客条件等により異なり、成果を保証するものではありません

共催ウェビナーは、「集客力」と「リード品質」のバランスに優れた施策です。単独開催のデモセミナーほど商談転換率は高くありませんが、複数社の顧客リストを活用することで、自社単独では出会えなかった層にもリーチできます。 まずは共催ウェビナーで認知とリードを獲得し、興味度の高いリードに対して単独セミナー(課題解決型やデモ型)でフォローアップするという組み合わせが効果的です。

共催セミナーの6つのメリット

共催セミナーには、単独開催にはない独自のメリットがあります。

集客コストを大幅に削減できる

共催セミナーでは、各社がメルマガ・SNS・顧客リストを使って集客を分担します。そのため、単独開催と比較して1社あたりの集客コストが大幅に下がります。

広告費をかけなくても、共催各社のハウスリストだけで一定の集客が見込めるのは大きな強みです。特にBtoBの場合、業界特化メディアへの広告出稿はコストが高いため、共催ウェビナーはコストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。

コンテンツの品質と信頼性が高まる

単独セミナーでは、自社だけのノウハウや視点に偏りがちです。しかし、共催セミナーでは複数社の専門知識が集まるため、テーマをより多角的に掘り下げられます。

さらに、複数社が登壇することで「業界トレンド」としての説得力が増し、参加者の納得感が高まります。結果として参加者の満足度が向上し、その後のフォローアップにも良い影響を与えるでしょう。

自社だけではリーチできない層のリードを獲得できる

共催セミナーの最大の魅力の一つは、共催相手が保有するリストからの参加者にもリーチできる点です。

すでに共催相手に興味を持っている参加者は、関連企業である自社にも自然と関心を寄せる傾向があります。また、共催企業との信頼関係が参加者にも波及するため、個人情報を提供することへの心理的ハードルも下がり、リード獲得が効率的に進みます。

主催であれば全参加者のリード情報を取得できる

幹事型(主催型)の共催セミナーの場合、費用を負担する代わりに、共催各社が集めた参加者を含む全参加者のリード情報を取得できます。

共催各社には「集客協力の見返りとして、協力数に応じたリードを獲得できる」というメリットがあるため、協力を得やすいのも特徴です。

シリーズ開催でナーチャリング効果を高められる

共催セミナーは単発で終わらせるのではなく、テーマを変えながらシリーズ型で複数回開催することで、より大きな効果を発揮します。

たとえば、第1回で「課題認識」、第2回で「解決策の理解」、第3回で「導入事例の学習」というストーリーを設計すれば、回を重ねるごとに参加者の理解と信頼が深まり、商談化率の向上が期待できます。

アーカイブ動画で継続的にリードを獲得できる

オンラインの共催ウェビナーでは、収録した動画をアーカイブとして公開することで、セミナー終了後も継続的にリードを獲得できます。

自社の登壇パートだけを切り出してアーカイブ公開すれば、イベント検索サイトや自社サイトからの視聴申込みを通じて、追加コストなしでリードを獲得し続けることが可能です。

共催セミナーのデメリットと対策

共催セミナーには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。事前に対策を把握しておくことで、リスクを最小化しましょう。

自社の印象が薄くなる

共催セミナーでは2社以上が同じイベント内で登壇するため、参加者の関心が分散し、自社のメッセージが埋もれてしまうリスクがあります。

対策:主催企業として最も視聴率の高い1番目の登壇枠を確保しましょう。セミナーは後半ほど離脱率が上がるため、冒頭に登壇することで最も多くの参加者に自社の情報を届けられます。さらに、オープニング動画や幕間動画でPR枠を設ければ、セミナー全体を通じて自社の存在感を維持できます。

コミュニケーションコストが増える

複数社が関与するため、クリエイティブの承認や役割分担の調整に時間がかかります。意図の食い違いや連絡ミスが発生すると、準備が大幅に遅れることもあります。

対策:あらかじめ主導企業(幹事)を決め、意思決定のフローを明確にしましょう。1社がリードする形で進めることで、各社の意見を反映しつつも、調整に余計な時間をかけずに済みます。プロジェクト管理ツール(BacklogやTrelloなど)を活用してタスクを可視化するのも有効です。

潜在層のリードが多くなる

共催セミナーは集客力が高い反面、共催相手のリストから参加する方は自社サービスへの関心が薄い「潜在層」であるケースが多くなります。対策:単発で終わらせず、シリーズ型で複数回接触を設計しましょう。1回目は課題認識、2回目は解決策理解、3回目は事例学習と段階的に設計すれば、潜在層を徐々にホットリードへ育成できます。

共催セミナー開催の流れと進め方

共催セミナーの基本的な流れを6つのステップで解説します。

ステップ① 目的を明確にする

まず「何を達成したいのか」を具体的に定めます。目的によってセミナーの内容やターゲット層が変わるためです。

たとえば、新規リードの獲得、見込み客の育成(ナーチャリング)、自社サービスの認知向上など、目的を明確にすることで全体の方向性が決まり、共催候補にもメリットを感じてもらいやすくなります。

ステップ② 共催先を探す・選ぶ

共催パートナーを選ぶ際の最も重要なポイントは、「ターゲット顧客が共通しており、かつ商材が競合しないこと」です。

たとえば、どちらも製造業向けのサービスを提供しているものの、自社はソフトウェア、共催先はハードウェアという組み合わせであれば、同じターゲットに対してそれぞれの強みを訴求できます。

共催先を見つける具体的な方法は、次のセクションで詳しく解説します。

ステップ③ テーマと役割分担を決める

共催先が決まったら、以下の項目を具体的に決定していきます。

・セミナーテーマ・訴求軸

・開催形式(オンライン / オフライン / ハイブリッド)

・各社の登壇内容と順番

・日時・使用ツール

・費用負担の割合

・リードの配分ルール

共催セミナーでは複数の企業が意見を出し合うため、話し合いが長引くことがあります。事前にどの企業がリードを取るかを明確にし、決定事項はドキュメントで共有するのがポイントです。

ステップ④ 共同で集客する

参加者を効果的に集めるためには、各社のハウスリストへのメール配信を軸に、以下の施策も組み合わせましょう。

・SNS(X、LinkedIn、Facebook等)での告知

・自社サイト・オウンドメディアでの告知

・セミナー・イベント検索サイトへの掲載

・SNS広告やリスティング広告の活用

・プレスリリースの配信

全体の集客計画を立て、各社の得意な集客チャネルを活かして分担することで、集客効果が最大化します。

ステップ⑤ セミナーを開催する

当日は進行管理に細心の注意を払います。事前にリハーサルを行い、スケジュールに無理がないか確認しておきましょう。

オンライン開催の場合は、配信トラブルへの備えも重要です。事前収録した動画をLIVE形式で配信する「疑似LIVE配信」という手法を使えば、撮り直しや編集が可能なうえ、回線不調による配信トラブルのリスクも最小化できます。

ステップ⑥ リード配分とフォローアップ

セミナー終了後は、参加者データの集計・配分を速やかに行います。

主催型の場合は、全参加者のリード情報を主催企業が取得し、共催各社には集客貢献度に応じて傾斜配分するのが一般的です。リード情報には、氏名・メールアドレス・会社名・業種・従業員規模・役職などの項目に加え、自社セッションの視聴有無やアンケート回答を含めると、その後のフォローアップの精度が上がります。

セミナー終了後5営業日以内にフォロー連絡を入れるのが理想的です。時間が経つほど参加者の記憶が薄れ、商談化率が下がります。

共催先の探し方3つの方法

共催セミナーを成功させるには、最適な共催パートナーの選定が不可欠です。共催先を見つける代表的な方法を3つ紹介します。

方法① 自社ネットワーク・SNSで探す

まずは自社の既存ネットワークから候補を探すのが最も手軽な方法です。既存の取引先、業界の知人、LinkedInやXでのつながりなどから、ターゲット顧客が共通する企業をリストアップします。

すでに関係性がある相手であればコミュニケーションもスムーズに進みやすく、信頼関係も構築されているため、共催の合意も得やすいでしょう。

方法② マッチングサービスを利用する

近年では、共催ウェビナーのパートナーを見つけるためのマッチングサービスも登場しています。「coHost」「ウェビナーの楽屋」「FanGrowth」などが代表的です。

ターゲットやテーマ、業種などの条件で絞り込むことができるため、自社のネットワーク外からも効率的に候補を見つけられます。無料で利用できるサービスもあるため、まずは試してみるのも一つの方法です。

方法③ 代行会社に任せる

共催先の開拓から交渉、セミナーの運営までを一括して代行会社に依頼する方法もあります。

代行会社はこれまでの支援で蓄積した共催企業のネットワークとマッチングノウハウを持っているため、自社にとって最適な共催先を効率的に見つけられます。共催先探しに費やす時間とリソースを本業に集中できる点も大きなメリットです。

自社運営と外注代行、どちらを選ぶべきか

共催セミナーは自社で運営することも、外注代行を利用することも可能です。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合った方法を選びましょう。

自社運営が向いているケース

・すでに共催経験があり、運営ノウハウが社内にある

・共催候補の企業とのネットワークが豊富

・マーケティング担当者に十分なリソースがある

・月1回程度の開催頻度で対応できる

外注代行が向いているケース

・共催セミナーの開催経験がなく、何から始めればよいかわからない

・共催先の開拓に時間をかけられない

・企画・集客・運営の工数を社内で賄えない

・立ち上げ期に複数テーマで並行開催し、認知を一気に広げたい

・配信ツール(Zoom Webinarなど)の契約・設定の手間を省きたい

外注代行の費用感と対応範囲

一般的に、共催ウェビナーの代行費用は1回あたり30万〜80万円程度が相場です。プランによって共催社数や集客目標、対応範囲が異なります。

代行会社が対応する範囲の一例としては、テーマ・訴求軸の設計、共催先の選定・開拓・交渉代行、イベントページ・申込フォームの作成、集客用バナー作成、集客推進・リマインド管理、配信環境の提供、リード情報の納品などが挙げられます。

外注を活用することで、企画から運営まで窓口が一本化され、コミュニケーションコストも削減できます。自社でウェビナーを月1回が限界という場合でも、外注すれば複数テーマで並行開催が可能になり、認知拡大のスピードを上げられます。

共催ウェビナーの企画・運営を検討されている方へ

フラグアウトでは、共催ウェビナーの企画から共催先の開拓、集客、当日の運営、リード納品まで一貫したサポートを提供しています。 IT・デジタル技術イベント検索プラットフォーム「ehaco!」を活用した集客やアーカイブ動画によるリード獲得の仕組みも整えており、セミナー1回の投資で開催後も継続的にリードを獲得できるモデルを構築しています。

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共催セミナー開催時の注意点

最後に、共催セミナーを実施する際に押さえておきたい注意点を3つ紹介します。

個人情報の適切な取り扱い

共催セミナーでは複数の企業が参加者の個人情報を取り扱うため、事前に利用目的や共有範囲を明確に告知し、参加者からの同意を得ることが不可欠です。

申込フォームに「取得した個人情報は主催企業および共催企業が各社のサービス案内のために利用します」といった文言を明記し、チェックボックスなどで明示的に同意を得る運用が望ましいでしょう。同意のない情報共有は法律違反にあたるだけでなく、参加者との信頼を損なう可能性があります。

スケジュール管理の徹底

共催セミナーでは、複数社が関わるためにタスクの重複や抜け漏れが発生しやすくなります。準備段階からスケジュール管理を徹底し、各社の担当者がリアルタイムで進捗を確認できる体制を整えましょう。

契約からセミナー開催までは2.5〜3ヶ月が標準的なスケジュールです。共催企業の確定に3〜5週間、制作・集客に3〜5週間、開催後のリード納品に約1週間を見込んでおくとよいでしょう。

配信形式の選択

オンラインで共催ウェビナーを開催する場合、配信形式は大きく3つあります。

LIVE配信:リアルタイムで登壇・質疑応答を行う形式です。参加者との双方向コミュニケーションに優れますが、回線トラブルや言い間違いのリスクがあります。

疑似LIVE配信:事前収録した動画をLIVEのスケジュールで配信する形式です。撮り直しや編集が可能なため、品質を担保しつつ配信トラブルのリスクも最小化できます。チャットやQ&Aは併用可能です。

オンデマンド配信:参加者が好きなタイミングで視聴できる形式です。集客のハードルは低いですが、LIVE感がなく離脱率が高くなる傾向があります。

品質とリスク管理を両立させたい場合は、疑似LIVE配信がおすすめです。

まとめ

本記事では、共催セミナーのメリット・デメリット、開催の流れ、共催先の探し方、外注代行の活用法まで解説しました。

共催セミナーは、集客力の向上やリード獲得数の増加など多くのメリットがある一方で、自社の印象が薄くなるリスクやコミュニケーションコストの増加といった課題も存在します。

これらの課題をクリアするには、主催側として登壇順やPR枠を確保し、シリーズ型の開催設計で潜在層をナーチャリングする仕組みを構築することが重要です。

共催先の開拓からセミナー運営まで社内リソースが不足している場合は、代行会社の活用も有効な選択肢です。自社の状況に合わせて、最適な開催方法を検討してみてください。

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